2019 Fiscal Year Annual Research Report
Detection method for 10-100nm nanofluidic engineering and application to single cell proteomics
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19H00850
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬渡 和真 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (60415974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 響二朗 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (20796437)
Le ThuHacHuong 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (60752144)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ナノフルイディクス / 光回折 / 光熱変換 / 非蛍光性分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、10-100nmの流路における超高感度検出法として、ナノ流路からの光回折を用いた検出法(光熱変換回折法、Photothermal Optial Diffraction (POD))の原理を提案して、非蛍光性分子の超高感度検出、ナノクロマトグラフィとへの応用を目的としている。2019年度はPODのシステムを構築して、原理を実証することを目的とした。 励起波長532nm、検出波長650nmのレーザーを用いて、顕微鏡をベースにPODのシステムを設計、製作した。そして、流路サイズ400nmの流路を用いて光回折を確認した。対物レンズの開口数により回折光と透過光の分離の可否が決まることを確認して、開口数を0.4に設定した。そして、回折光をスリットにより集光して、光吸収、発熱、屈折率変化、回折光強度変化をフォトダイオードとロックインアンプにより測定した。その結果、回折光強度変化とナノ流路の試料濃度が良好な比例関係を示し、提案した原理が機能することを確認した。また、回折効果により信号が出ていることを確認するために、スリットを透過光中心から回折部までスキャンして、信号値を測定した。その結果、透過部では信号は発生せず、回折光の強度に比例して、信号も増加することを確認した。これは、発生した信号が熱レンズ効果ではなく、屈折率変化により回折光強度変化に由来していることを示す結果である。 以上から、PODの原理を提案して、実証することに成功した。次年度は、感度やノイズを規定するパラメータを明らかにして、測定系を最適化して、可算個レベルの定量に挑戦する。そのために、流路サイズも10nmスケールまでダウンサイズ化する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定のPOD原理の実証を終了するとともに、予定外の結果であるナノ流路中でのナノ粒子のカウンティングとサイズ測定ができるという新たな結果を得た。また、両結果ともに分析化学のトップ雑誌であるAnalytical Chemistryに掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、PODを最適化するために、開口数やスリット幅、流路サイズとの関係を明らかにして、性能を最適化する。そして、非蛍光性分子を可算個レベルで定量可能であることを示す。
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Research Products
(4 results)