2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Si-based Dirac electron superlattice and its thermoelectric devices based on phonon and electron trapsport physics
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19H00853
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 芳明 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (60345105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒澤 昌志 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (40715439)
森 伸也 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (70239614)
藤田 武志 高知工科大学, 理工学群, 教授 (90363382)
澤野 憲太郎 東京都市大学, 理工学部, 教授 (90409376)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 熱電材料 / シリコン / ナノ構造 / フォノン / 分子線エピタキシー |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の方針に従って本研究課題を推進したところ、予想以上の高熱電出力因子が得られた。そこで、2021年度に、パラメーターを様々変えたCa挿入シリセン層状物質(CaSi2)薄膜を、超高真空分子線エピタキシー装置を用いてSi基板上にエピタキシャル成長して、この原因を調べた。その結果、当初の予想とは異なり、この高い熱電出力因子は、移動度の増大よりもゼーベック係数の増大が大きな原因であることがわかった。これは、性能向上のための核となる現象であり、本研究課題推進のためには、重要なポイントとなる。また、この現象は学術的価値も高いと考えられる。 2022年度では、上記点に注力して詳細に研究を行った。具体的には、これらの成果を踏まえて、実験的知見をもとに様々な形成法によって超高真空分子線エピタキシー装置を用いて、構造パラメータを緻密に変えて実験を行った。その結果、この高い熱電出力因子が、原子位置・膜厚に大きく依存することを発見した。特性が既存のものとは大きく異なり、高い性能であることから、期間を延長してこの原因を特定した。その結果、ゼーベック係数の増大は、シリコン原子が通常の位置から変位することによって生じることが分かった。また、詳細な調査の結果、この変位は、組成、および膜厚の変化によって変動することが分かった。本年度の詳細な研究により、原子変位に基づく高熱電出力因子の発現という新現象を見出すことができた。これは、一般材料でも起こりうることであるが、低次元材料では生じやすい現象ではないかと考察した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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