2020 Fiscal Year Annual Research Report
フレキシブルスピンデバイスを用いた完全無電力IoTレジスタ・論理演算素子の創製
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19H00860
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
千葉 大地 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (10505241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 光 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (20506258)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スピントロニクス / フレキシブルスピントロニクス / メカニカルレジスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
【1. マイクロマグネティックシミュレーションによる素子設計】 マイクロマグネティックシミュレーションにより、磁気ドットの形状・サイズ・配列/配置の最適ウィンドウを特定するための作業を進めた。最適ウィンドウを確定させるための大規模な計算が行える環境を整え、安定動作条件をいくつか提案した。 【2. シフトレジスタの試作】 最適化設計指針に従い、プロトタイプ素子を電子線リソグラフィ→スパッタ製膜→リフトオフプロセスによりフレキシブル基板上に試作した。試作した素子の形状・磁気異方性を、電子顕微鏡、磁気力顕微鏡等で確認した。昨年度は強磁性層の磁化がピン止めされた細線上への多数の磁気ドット形成の条件出しに多くの労力を割いた。今年度は、その条件を用いて様々な磁気ドットの形状や配置を有するプロトタイプの施策を進めた。 【3. シフトレジスタの動作検証】 作製した素子に磁界を掃引し、磁化反転ごとに巨大磁気抵抗効果により抵抗が増大することを確認した。ロードセルとリニアエンコーダを装備したモータ駆動式自動引っ張り試験機を用いて応力印加を複数回精密に行い、磁化反転を引き起こす条件を探索した。 【4.リザーバ・コンピューティングの提案】 マイクロあるいはマクロマグネティックシミュレーションにより、多数の磁気ドットを有する系においてひずみ情報で駆動するリザーバ・コンピューティングの提案を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ今年度計画していた予定通りに進捗しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、最終目標である素子のレジスタ動作を実証し、論理演算素子実証を合わせて検討する。COVID-19の対策が読めない部分もあるが、素子を作れないと研究を先に進めることが難しいため、在宅活動でできることと、現場に来ないとできないことを分けて活動を進める。
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