2023 Fiscal Year Annual Research Report
マグノニック機能創発のための電圧効果と凝縮効果の研究
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19H00861
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
関口 康爾 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (00525579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立崎 武弘 東海大学, 情報理工学部, 講師 (20632590)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マグノン / スピン波 / 量子凝縮 / 量子効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
マグノニック機能の有力候補である量子凝縮効果に関する研究を実施した。量子凝縮は室温・大気中で生じる巨視的量子現象であり、新しい量子コンピュータ・量子ビットに応用が可能と期待されている。前年度に開拓した鉄単結晶薄膜におけるマグノン量子凝縮に関して、今年度は電気的計測に注力した。鉄単結晶薄膜におけるマグノン量子凝縮の光学検出ではストリップ共振器を使用していたが、数ワットレベルのマイクロ波印加が必要となっていた。そこで、鉄単結晶薄膜をマイクロメートルスケールの細線に微細加工し、マイクロ波印加アンテナも数マイクロメートルに加工することで、アンテナを流れるマイクロ波電流密度を増大させ励起マイクロ波を増強した。この結果、パラメトリックポンピングの外部磁場依存性、パワー依存性などを高精度のネットワークアナライザ、スペクトラムアナライザによって系統的に測定できるようになった。その結果、立方磁気異方性を有する鉄単結晶では、結晶磁気異方性と外部磁場の競合によって複雑なパラメトリックポンピング過程が存在することが明らかとなった。これまでにパラメトリックポンピングが不可能と思われる微小マイクロ波エネルギーでもパラメトリックポンピングが引き起こされることがわかり、量子凝縮体へ至る新しいルートの可能性が発見できた。光学検出における高電力励起は試料温度上昇による磁気特性変化など予測できない結果をもたらす可能性がある。そこで、ストリップライン共振器の設計を見直し、さらに、周囲に設置する材料、試料サイズの見直しを徹底して共振効果を高めた。その結果、これまでにない低い電力でも明瞭なブリルアン散乱分光ピークを検出することができた。また、マグノニック機能の論理ゲートに関して、磁気双極子結合を活用した微細試料を作製することで、これまで得られていたON/OFF比を大きく改善することに成功した。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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