2020 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系フォトニクスを用いた光リザーバコンピューティングの革新的展開
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19H00868
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
内田 淳史 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (50327996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂田 哲 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (10463704)
菅野 円隆 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (10734890)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リザーバコンピューティング / 応用光学・量子光工学 / 先端機能デバイス / 複雑系 / 超高速情報処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の人工知能や機械学習に関するソフトウェアの著しい進展は、従来の情報化社会を未知の領域へと導いている。一方でCPUやGPUを搭載した現在のコンピュータを用いた場合、計算速度の限界や大幅な消費電力の増加が大きな課題として顕在化している。近年、機械学習の実装に適した新たなハードウェアの開発が盛んに行われており、リザーバコンピューティングと呼ばれる新たな概念の人工脳型ハードウェアが非常に注目されている。そこで本研究では、光リザーバコンピューティングにおいて複雑系フォトニクスの解析手法を元に、人工脳型ハードウェアとしての可能性を明らかにし、光と複雑系の長所を利用した新たな応用を切り拓くことを目的とする。特に、新たな光コンピュータとしてリザーバコンピューティングを利用する意義や、複雑なダイナミクスを用いる利点を明らかにする。 本年度の研究成果として、複数の半導体レーザを並列化することによりリザーバコンピューティングの性能向上を達成した。レーザの個数を増加させることで、時系列予測タスクにおける予測誤差の低減に成功した。本成果により、複数の半導体レーザを光集積回路上に実装した小型で高性能なリザーバコンピューティングの実現が期待できる。また別の実装方法として、光ファイバ中の光散乱現象を利用した時間-空間-波長多重方式のリザーバコンピューティングの実証実験に成功した。本手法における多重化方式の実装により、リザーバコンピューティングの性能向上を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は当初の計画通りに進展している。本年度の研究において、複数の半導体レーザを並列化することによりリザーバコンピューティングの性能向上を達成した。さらに光ファイバ中の光散乱現象を利用した時間-空間-波長多重方式のリザーバコンピューティングの実証実験に成功した。このように多くの研究成果が得られており、順調に研究課題が遂行されている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究活動としては、光リザーバコンピューティングの新たな実装方法の開発とその応用に関する研究を行う予定である。具体的には、複数のリザーバを直列に組み合わせる構成方法を提案し(ディープ型方式)、リザーバコンピューティングの性能を向上させる。また、マルチモード導波路型の光集積回路を用いたリザーバコンピューティングの実装を行う。加えて、突発的な不規則振動現象におけるリザーバコンピューティングを用いた予測と予防を行う予定である。
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Research Products
(48 results)