2021 Fiscal Year Annual Research Report
Full understanding on formation and characteristics of magnesium silicate hydrate
Project/Area Number |
19H00878
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 努 北海道大学, 工学研究院, 教授 (10313636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 翼 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (80544105)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マグネシウムシリケート水和物 / 低結晶性物質 / 地球化学モデリング / 有害物質 / 隔離 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、1)様々な組成のマグネシウムおよび二価鉄シリケート水和物(M-S-H)の合成、2)天然に産するM-S-Hの探査と現地調査、3)合成および天然M-S-Hのキャラクタリゼーション、4)分光学的手法および分子動力学的計算による構造推定、5)M-S-H生成の地球化学反応モデリングによる再現、6)有害物質の隔離に対するM-S-H生成の影響評価を実施した。その結果、様々な組成やpH条件をパラメータとした相図を作成し、M-S-HはpH8あるいは9以上であることが明らかとなった。この知見は、本研究中に天然で確認した北海道赤岩青巖峡の蛇紋岩が分する地域、フィリピンパラワン島で超苦鉄質岩を含むオフィオライト地域、ミャンマーのニッケルラテライト鉱床等、様々なな地質学的セッティングで認められたM-S-Hの生成を説明でき、現存する熱力学的データで予言できるものであった。また、様々な分光学的手法や計算科学的手法により、低結晶性であるM-S-Hの構造は、3次元的周期性は十分でないものの、Mgケイ酸塩鉱物のタルクや蛇紋石と類似の構造を有していることも判明した。さらに、その生成によって、Mgや二価鉄と同様の価数やイオン半径を有するNiやCo等の有害元素も構造内に取り込むことが可能であり、天然環境におけるそれらの有害元素の挙動に大きな影響を与えることも判明した。 以上から、低結晶性物質であるために、様々な場面で今までは見過ごされていた可能性が高く、その生成環境での振舞いに関する知見がほとんど蓄積されていなかったM-S-Hに関して、その正体(組成や構造等)や生成条件が明らかになっただけでなく、二酸化炭素の地中貯留、放射性廃棄物の地層処分、石油増進回収等の地球工学的な様々な分野に革新をもたらすポテンシャルの高い物質であるとを示すことができた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Mineralogical evolution of a weathering profile in the Tagaung Taung Ni laterite deposit: significance of smectite in the formation of high-grade Ni ore in Myanmar2022
Author(s)
Murofushi, A., Otake, T., Sanematsu, K., Zay Ya, K., Ito, A., Kikuchi, R., T. Sato
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Journal Title
Mineralium Deposita
Volume: 158
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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