2022 Fiscal Year Annual Research Report
Control of conductivity and magnetism of organic devices based on strongly correlated electron systems
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19H00891
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
山本 浩史 分子科学研究所, 協奏分子システム研究センター, 教授 (30306534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川椙 義高 東邦大学, 理学部, 講師 (40590964)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 強相関電子系 / 超伝導 / スピントロニクス / キラリティ / 電界効果トランジスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は強相関電子系であるκ-(BEDT-TTF)_2Cu_2(CN)_3を用いた電界効果デバイスの作製に成功し、基板曲げによる実効的圧力と電気二重層トランジスタによるキャリアドーピングの同時制御による電場誘起超伝導相を確認した。その結果、量子スピン液体の候補とされる絶縁性磁性相と超伝導相がバンドフィリング制御によっても隣接していることが明らかとなった。また、キラルなモット絶縁体を用いたスピントロニクスにおいて大きな進展があった。すなわち、キラルな強相関電子系であるκ-(BEDT-TTF)_2Cu(NCS)_2について、純良薄膜単結晶を用いて強磁性電極を付けた薄膜デバイスを作製し、これを交流励起することで、強磁性電極表面に蓄積したスピンを直流電圧として観測することに成功した。電極の磁化を角度変化させながら電圧測定を行ったところ、蓄積したスピンの向きを決定することも可能となり、単結晶内でのスピン偏極方向分布を明らかにした。その結果、生成されたスピン偏極は、結晶の上下で反平行となっていることが確認された。さらにこのスピン偏極がEdelstein効果によって生じたと仮定すると、得られた信号強度は1,000倍ほど過大であることが明らかとなった。したがって、今回のスピン偏極はEdelstein効果とは異なる効果が働いていると考えられ、軽元素分子であっても巨大スピン偏極を生み出すCISS (Chirality Induced Spin Selectivity)効果との関連が強く示唆される結果となった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(26 results)