2019 Fiscal Year Annual Research Report
希少・複雑天然物の大量合成可能な短工程合成による天然物を超える生物活性創出
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19H00892
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 雄二郎 東北大学, 理学研究科, 教授 (00198863)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 有機触媒 / 不斉触媒反応 / ワンポット |
Outline of Annual Research Achievements |
プロスタグランジン(PG)類は生理活性物質として、人間の体内で多くの生理作用に関わっている。またPG類のいくつかは医薬品として、実際に臨床で利用されている。PG類の大量合成は確立されているが、Coreyラクトンという化合物を経由するものである。これまでCoreyラクトンは少なくとも7段階の反応で、総反応時間48時間以上で合成されてきた。今回、我々が開発したdiphenylprolinol silyl etherという有機触媒を用いた3+2付加環化反応を用いることで、さらに我々が提唱しているポットエコノミーの概念に基づき反応の最適化を行ったところ、Coreyラクトンを一つの反応容器を用いるだけで、またわずか152分で光学的に純粋な化合物の合成に成功した。 また、軸不斉化合物は、触媒のリガンドとして重要であるばかりでなく、有機材料としても興味が持たれている。その合成はこれまで2つのアリール基のカップリング反応で合成されることが多かった。これに対して、我々が開発したdiphenylprolinol silyl etherという有機触媒を用いた不斉触媒反応により、中心不斉分子を合成し、その中心不斉を軸不斉に転写するという方法論で、非常に高い不斉収率を有する軸不斉化合物の合成に成功した。さらに、中心不斉を軸不斉に転写する際にもポットエコノミーの概念に基づき、少ないポット数での合成に成功した。 アルドール反応はβ―ヒドロキシカルボニル化合物を合成する合成的に重要な反応である。今回、我々が開発したdiarylprolinolという有機触媒を用いることで、α,β不飽和アルデヒドとアルデヒド間の不斉触媒アルドール反応が高い不斉収率で進行することを見出した。得られた化合物はアルケン部位を有するため、多くの変換反応が可能となる有用な光学活性合成中間体である。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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