2021 Fiscal Year Annual Research Report
リピート配列を特異的に化学修飾するリピート結合分子の創成
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19H00924
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中谷 和彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70237303)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | DNA / リピート / 異常伸長 / シトシン / 化学修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでのリピート結合分子開発研究では、リピート配列への結合により「何らかの生体内プロセスへの効果」を「期待」し、運良く個体レベルでの効果が見出してきたが、「リピート結合分子はどういう分子機構で、個体レベルで活性を発現しているのか?」を詳細に理解することを、本提案課題の核心をなす学術的問いとして取り上げた。前年度までに蓄えた情報などから、CGGリピートに結合する分子NCDにエポキシ基を付加したNCD-epoでは、化合物自体の化学的安定性が不十分であることから、修復酵素であるシトシンデアミナーゼを共存させた条件で、NCD-epoに反応したシトシンをDNA切断バンドとして確認する手法を用いて検討を進めた。その結果、CGGリピート上での顕著な反応性の亢進を確認するには至らなかった。NCD-epo自体の化学的安定性が低いために、反応条件下での十分な反応時間が確保できなかったことが原因であると考察される。一方、シトシンデアミナーゼ活性を持つAPOBECファミリー蛋白質を用いることにより、各種リピート配列におけるシトシンデアミネーションの効率を比較することが可能となった。その結果、リピートが形成するミスマッチを含むヘアピン構造において、Gを含まない、もしくはGの含量が少ないリピート配列が、APOBECファミリー蛋白質の比較的良い基質となることがわかった。一方、CGG、CAGリピートなどは、あまりいい基質ではないことが明らかとなった。これらの知見を合わせ、ヘアピン構造形成時にC-Cミスマッチを形成するCCGリピート、T-Tミスマッチを形成するCTGリピートなどが、本来の研究目的に最も良いリピート配列であることがわかった。CCG、CTGリピート配列に結合する低分子化合物を用いることにより、これら低分子が修復酵素系に及ぼす影響を見積もることが可能となることがわかった。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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