2020 Fiscal Year Annual Research Report
Decision Making on Food Choice and Meal Construction and Requirements of Health Risk Communication
Project/Area Number |
19H00962
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
新山 陽子 立命館大学, 食マネジメント学部, 教授 (10172610)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高鳥毛 敏雄 関西大学, 社会安全学部, 教授 (20206775)
西村 直子 立命館大学, 食マネジメント学部, 教授 (30218200)
下川 哲 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (40767224)
鬼頭 弥生 京都大学, 農学研究科, 講師 (50611802)
工藤 春代 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 准教授 (60452281)
楠見 孝 京都大学, 教育学研究科, 教授 (70195444)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 食事内容構成の意思決定要因 / 食事内容構成と健康イメージ / 地域圏食料プロジェクト / 食品リスク回避行動 / 食品の放射線リスクへの態度 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.過敏な食品リスク回避行動、リスクリテラシーに関する研究。1)情報提供内容が放射性物質に関するリスク認知及び福島県産米の購買行動に与える影響について、2020年2月に実施した調査結果を解析し、国際学会で報告を行なった。2)個人差を考慮したリスクリテラシー向上をうながす情報提供モデルの検討を行うため、福島第一原発事故による食品の放射線リスクへの態度について、人口学的集団(高齢者、子供の親など)、心理学的集団(リスク敏感性、信頼感等)別に解析できるように設計した10回目のパネル調査を実施し、9年間の推移を検討して、学会報告を行った。 2. 食事内容構成とその意思決定プロセス、認知要因に関する研究。1)食事内容構成に影響を与えると想定される健康イメージとその深層にある心理的要因(美容、痩身願望、判断の他人依存などが仮定される)について、当初は日本とフランスにおいてラダリング法を用いた市民面接調査を行うことになっていたが、新型コロナ感染症パンデミックが継続したため、面接調査が実施できず、web調査に切り替えて実施することとした。調査票の再設計に時間を要したため、調査費を2021年度に繰越した。調査は日本リサーチセンターに依頼し、日本、フランス各600のデータを得た。2)食事内容構成の意思決定プロセスについては、2019年度研究費の一部を2020年度に繰越して同じくweb調査票を作成していた。調査は、2021年度に繰り越した研究費により、日本の一部年齢層のみ実施し、200のみデータを得た。以上1)2)のいずれもweb調査の準備に時間を要したため、データの解析は2022年度に実施する計画である。3)新型コロナ感染症への自治体の対策に関する論稿、2020年度に作成を進めたフランスの地域圏食料プロジェクトに関する論文、日本の地域産品のテロワールに関する論文などが公表された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画においては、食事内容構成とその意思決定要因、および食事内容に影響を与えると想定される健康イメージについては、予備調査として面接調査を実施し、その結果を論文として公表しながら、予備調査の知見をもとにweb調査票を作成する予定であったところが、新型コロナ感染症パンデミックにより2年に渡って面接調査が実施できなかった。そのため、研究成果の公表も制約され、さらに予備調査による知見なしにweb調査を設計せざる得ず、設計に長い時間を要したことによる。 一方、急遽、新型コロナ感染症パンデミックによる食生活を含むフードシステムへの影響や、フードシステムの維持においてその中核に位置し社会インフラである中央卸売市場(開設者である自治体)と関係職業者による緊急事態対応についての調査研究、および自治体の公衆衛生体制についての調査研究を実施することとなったこと、さらに前年度実施したフランスの地域圏食料プロジェクトの調査結果をまとめて論文として公表できたことは、研究の新たな次元を切り開く上で大きな成果であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
多くのデータの解析が研究期間の最終年度になってしまうなど、制約がありながら進めた調査であるが、健康イメージと食事内容構成について日本、フランス各600のデータを得ることができた。健康イメージの日仏比較、健康イメージと食事内容構成との関係という貴重な分析が行えることから、これら得られたデータを最大限活かすことができるように解析を進める計画である。 また、新型コロナ感染症パンデミックへの対応という急遽の調査から出発したものであるが、フードシステムの中核に位置する社会インフラである中央卸売市場の役割に関する一層の研究を進めること、さらに、フランスの地域圏食料プロジェクトの調査結果を日本に活かせるように、日本の実情にあった地域圏フードシステム構築のための方策の研究を進めることを計画している。
|
Remarks |
学会発表の他、以下の発表を行った: Naoko Nishimura、Schur-Concavity, Social Value Orientation and Social Risk、関東学院大学経済学部セミナー、2021
|
Research Products
(11 results)