2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of real time in vivo imaging method that can monitor tissue inflammation and fibrosis.
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19H00966
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高橋 智 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50271896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 聖哉 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10633141)
濱田 理人 筑波大学, 医学医療系, 助教 (20567630)
三輪 佳宏 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70263845)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リサーチバイオリソース / in vivoイメージング / 近赤外蛍光 / iRFP / 遺伝子改変マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、組織炎症と線維化をリアルタイムでモニターできる遺伝子改変マウスの開発を行い、以下の2つの研究を実施した。 1-1. 組織の炎症反応をリアルタイムにモニターできる手法の開発 全身でiRFPを発現する遺伝子改変マウスの骨髄を野生型マウスに移植し、骨髄由来の全ての免疫細胞をiRFPの発現でモニターできるマウスを作製した。そのマウスに肝炎を誘導したところ、誘導直後から炎症細胞が肝臓に集簇する様子をiRFPの発現を検出することによりリアルタイムに確認した。また、Cre-loxPシステムを用いて、T細胞のみをiRFPで標識できるマウスを開発し、T細胞の体内での挙動を確認することに成功した。 1-2. 組織線維化をリアルタイムにモニターできる手法の開発 V型コラーゲンのN末端に蛍光タンパク質GFPを挿入し、培養細胞に導入したところ、膠原線維の細胞内での合成および細胞外での線維の蓄積をモニターできることを確認した。導入細胞の由来や細胞培養条件により、分泌される膠原線維の形状が変化することが明らかとなった。これは膠原線維の形成機構を解明する上で非常に興味深い現象であり、現在その分子機構を解明している。また、組織線維化をin vivoでリアルタイムに検出できるノックインマウスの作製をCRISPR/Cas9システムを用いて行った。現在複数のマウスラインが確立されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、当初予定していた「1-1. 組織の炎症反応をリアルタイムにモニターできる手法の開発」および「1-2. 組織線維化をリアルタイムにモニターできる手法の開発」を行い、それぞれ期待していた成果を得ることができた。T細胞特異的な体内でのモニターができたことは、今後の炎症細胞特異的なモニターが可能であることの実例として、非常に重要な成果であると考えられる。また、予定より早く組織線維化をリアルタイムにモニターできるマウスの作製を行えたことも評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は以下の2つの研究を実施する予定である。 1-3. 近赤外多重蛍光観察を可能にする手法の開発 「生体の光学的な窓」を用いて、炎症細胞の動態と膠原線維の蓄積を同時に生体外からモニターするためには、近赤外多重蛍光観察手法を確立する必要がある。iRFPにはピーク波長が異なるiRFP670、iRFP682、iRFP702、iRFP713、iRFP720の5つの変異体が存在するが、このピーク波長の違いを検出するためには特殊なカメラが必要となり、広く一般に普及する技術になりにくい。そこで、既に臨床で使用されている近赤外蛍光物質であるインドシアニングリーン(Indo-cyanine Green(ICG)ピーク波長 835nm)を用いることにより、iRFPとICGの二重蛍光観察法を確立する。 1-4. 臓器線維化をリアルタイムでモニターできる遺伝子改変マウスの開発 今年度作製した、標識遺伝子を導入した遺伝子をV型コラーゲン遺伝子領域に挿入したノックインマウスの解析を行う。まず初めに、標識遺伝子の導入による異常が無いかを確認し、異常が無い場合は、標識物質によりコラーゲンの形成が確認できるかを検証する。コラーゲンの形成が十分な感度で確認できない場合は、導入遺伝子の構築を再検討して再度作製を行う。
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