2019 Fiscal Year Annual Research Report
胎盤形成に必須のレトロトランスポゾン由来のインプリント遺伝子の機能解明
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19H00978
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石野 史敏 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60159754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志浦 寛相 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (10451907)
石野 知子 (金児知子) 東海大学, 医学部, 教授 (20221757)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ゲノムインプリンティング / 哺乳類特異的獲得遺伝子 / LTRレトロトランスポゾン / 胎盤機能 / 筋肉発生 / 脳機能 / 哺乳類進化 / 哺乳類個体発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類においてレトロトランスポゾン由来のインプリント遺伝子Peg10、Peg11/Rtl1は、胎盤形成や機能維持に必須の役割を果たしている。本申請では、これらが胎盤固有の組織でどのような固有の機能を持つのかを明らかにする。さらに、Peg10に関しては母子間の免疫寛容、PEG11/RTL1に関しては胎児期/新生児期特異的な筋肉形成における機能について、個体レベル、細胞レベル、タンパク質レベルでの解析を行い、哺乳類の個体発生の特殊性を明らかにするとともに、これらの遺伝子獲得が胎盤の出現や胎生機構への適応に果たした系統発生(進化)における意義を明らかにする。また、これらと同じレトロトランスポゾン由来の獲得遺伝子であるSIRH/RTL遺伝子群についても同様の解析を進める。特に、脳機能に関するSirh3/Rtl6、Sirh8/Rtl5, Sirh11/Rtk4に関しては、その機能だけでなく脳内での発現部位や発現時期の特異性についての解析を行う。本年度において、Peg10に関しては胎盤細胞分化への機能についての重要な知見がえられ、母子間の免疫寛容に関しても新しい実験系を立ち上げが完了した。Peg11/Rtl1に関しては筋肉発生に関しての論文を投稿(リバイス中)出来た。Sirh3/Rtl6に関しては論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Peg10が初期胎盤細胞分化への関与に関する機能に関して重要な知見を得ることができた。また、中期から後期にかけての新たな機能についても実験は着実に進行した。さらにコンディショナルKOマウスの作製が完了したことから、胎児における機能についての解析が可能になった。これによりPeg10の脳機能に関する研究が進められる。Peg11/Rtl1に関しては、ヒトゲノムインプリンティング疾患である鏡ー緒方症候群およびテンプル症候群の主要原因遺伝子であるという論文がリバイズの投稿という段階に進んだ。これはPeg11/Rtl1が胎盤だけでなく胎児・新生児の筋肉発生にも関わるという新しい内容であり、哺乳類特異的獲得遺伝子による哺乳類の進化というテーマに新しい視点を与えるものである。また、Peg10、Peg11/Rtl1と同じltrレトロトランスポゾンに由来するSirh3/Rtl6に関しては脳機能への関与を示す論文を投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
Peg10の機能について、胎盤の初期発生、中期以降の妊娠維持に関わる研究の論文化を目指す。また、胎児の脳機能に関する研究を進める。Peg11/Rtl1に関しては胎盤、筋肉における生化学的機能に迫るため、機能喪失型のノックインマウスを作製することを計画している。SIRH/RTL遺伝子群に関しては、発現部位、発現時期の解析のため蛍光タンパク質と融合したノックインマウスの作製と解析を進める。
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Research Products
(18 results)
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[Presentation] AKT links epigenome and metabolism in the process of iPSC generation2019
Author(s)
Yoichi Sekita, Yuki Sugiura, Akari Matsumoto, Yuki Kawasaki, Ryo Konno, Kazuya Akasaka, Momoka Shimizu, Toshiaki Ito, Eiji Sugiyama, Terushi Yamazaki, Eriko Kanai, Toshinobu Nakamura, Makoto Suematsu, Fumitoshi Ishino, Yoshio Kodera, Takashi Kohda, and Tohru Kimura
Organizer
日本分子生物学学会年会(MBSJ2019)
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