2019 Fiscal Year Annual Research Report
神経軸索再生を制御するシグナル伝達ネットワーク機構
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19H00979
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 邦弘 名古屋大学, 理学研究科, 研究員 (70116375)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 遺伝学 / 再生医学 / シグナル伝達 / 神経科学 / 脳・神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
SVH-16を介した軸索再生制御機構 svh-16遺伝子はCDKタイプのプロテインキナーゼであるCDK14の線虫ホモログをコードする。軸索再生におけるSVH-16の機能を明らかにする目的で、SVH-16と結合する因子をスクリーニングした結果、Wntシグナル伝達経路で作用するDishevelled(Dsh)の線虫ホモログMIG-5を同定した。哺乳動物では、DshはRhoのGDP/GTP交換因子WGEFと複合体を形成して、Rhoを活性化することによりアクトミオシン系を制御する。この経路は、non-canonicalなWntシグナルにより制御される。事実、svh-16変異体の再生率低下の表現型が、ミオシン軽鎖のリン酸化ミミック型遺伝子の発現により抑圧できた。さらに、WGEFの線虫ホモログephx-1変異体で軸索再生率を検討した結果、svh-16変異体と同様に低下していた。また、この変異体での再生率の低下は、svh-16変異体と同様にミオシン軽鎖のリン酸化ミミック型遺伝子の発現により抑圧された。そこでsvh-16との遺伝学的上下関係について調べたところ、svh-16はephx-1の上流で機能することが示唆された。以上の結果から、SVH-16はEPHX-1を介して神経軸索再生を制御することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
SVH-16→EPHX-1経路による軸索再生制御機構を明らかにすることができ、現在論文(J.Neurosci.)としてacceptされている。
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Strategy for Future Research Activity |
svh-16による軸索再生制御機構について、上流のWntシグナルとWnt受容体を探索すると同時に、ephx-1の下流でどのようなシグナル経路を介してミオシン軽鎖のリン酸化が制御されているかを明らかにする。これにより、Wnt→SVH-16→EPHX-1→ミオシン経路によるシグナル伝達ネットワークの全体像を解明する。
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Research Products
(8 results)