2019 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship between architecture and function of intraciliary protein trafficking complex: molecular basis for ciliopathies
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19H00980
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
中山 和久 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40192679)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
申 惠媛 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (10345598)
加藤 洋平 京都大学, 薬学研究科, 講師 (90568172)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 繊毛 / タンパク質間相互作用 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
［研究目的］繊毛は機械的刺激、発生シグナルの受容と伝達を媒介する。繊毛に局在する受容体などのタンパク質の繊毛内へ輸送や繊毛からの排出は、繊毛内タンパク質輸送装置（IFT装置）という巨大なタンパク質複合体によって媒介される。一方、繊毛内部と細胞質を隔てる拡散障壁（トランジション・ゾーン：TZ）は、繊毛への選択的なタンパク質の出入りを制御する。IFT装置やTZの構成タンパク質の異常によって多岐にわたる症状を呈する繊毛病を発症する。しかし、多くの繊毛病原因遺伝子産物に関して、他の原因遺伝子産物とどのように相互作用して、どのような機能を果たし、最終的に個体レベルでの表現型をもたらすのかは不明である。本研究では、IFT装置やモータータンパク質、TZの構築様式と機能の相関について研究し、遺伝子型（分子レベル）と表現型（細胞レベル）の間のブラックボックスを解き明かすことによって、繊毛病発症の分子基盤の解明を目指す。
［研究実績の概要］2019年度には、（１）IFT装置を構成するIFT-B複合体と積み荷タンパク質であるMAPK様キナーゼのICKとの相互作用、およびその相互作用の生理的意義の解明；（２）IFT-A複合体とIFT-B複合体の結合様式、およびその結合が果たす生理的意義の解明；（３）TZを構成するB9Dタンパク質複合体の構築様式、およびその複合体構築の生理的意義の解明を行った。いずれの研究に関しても論文を投稿中である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
（１）VIPアッセイを用いて、繊毛の先端に局在するMAPK様キナーゼICKがIFT-B複合体に結合して運搬されることを明らかにした。さらに、改良型CRISPR/Cas9法により樹立したICK-KO細胞を用いた解析により、ICKの繊毛先端への輸送が、繊毛内逆行輸送にとって不可欠であることを見出した。
（２）6サブユニットから成るIFT-A複合体と16サブユニットから成るIFT-B複合体の結合様式を明らかにするとともに、IFT88-KO細胞を用いた解析によって、IFT-A複合体はIFT-B複合体に結合することによって繊毛内に運び込まれること、およびIFT-A複合体と結合することによって、IFT-B複合体は繊毛先端から基部へと逆行輸送されることを明らかにした。
（３）MKS1、B9D1、B9D2から成るB9Dタンパク質複合体の構築様式を明らかにするとともに、KO細胞を用いた解析によって、この複合体の形成がTZの繊毛内外を隔てる障壁としての機能にとって不可欠であることを明らかにした。
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| Strategy for Future Research Activity |
IFT装置やTZを構成するタンパク質の遺伝子の変異に起因する繊毛病の分子基盤の解明を目指す。特に、2020年度には、IFT-A複合体を構成するサブユニットの遺伝子の変異に起因する繊毛病に関して、相互作用の変化と細胞レベルでの表現型の変化を関連付ける解析を行う。
さらに、TZを隔てる繊毛内へのタンパク質の出入りを制御する低分子量GTPaseのARL3やARL13B、それらのエフェクターであるINPP5Eの機能の解析も行う。
また、研究計画調書に記載した超々解像イメージングの基盤となる膨張顕微鏡法に改良を加え、繊毛の微細構造の解析を可能にする。
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