2019 Fiscal Year Annual Research Report
硫酸基転移酵素SULT2B1bの発現制御機構と生体機能の統合的理解
Project/Area Number |
19H00983
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福井 宣規 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (60243961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇留野 武人 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (80532093)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 酵素 / 生理活性脂質 / 生体機能 / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、SULT2B1bによって生成されるコレステロール硫酸(CS)が、免疫細胞の遊走や活性化に重要なRac活性化因子であるDOCK2の触媒ドメインに会合し、その機能を阻害することを見出した。本研究では、SULT2B1bの遺伝子発現制御機構を解明し、その発現を個体レベルでモニターできるレポーターマウスを開発すると共に、妊娠時の胎盤や子宮、がん組織等を対象に、SULT2B1bを介したCS産生の免疫回避における機能的重要性を実証することを目的に、以下の成果を得た。 ・ヒトおよびマウスの胎盤を用いて、妊娠の時系列に沿って、Sult2b1b遺伝子発現の変化をモニターした。 ・CRISPR/CAS9のシステムを用いて、SULT2B1bの発現を個体レベルでモニターできるノックインマウスを複数系統作製し、一部のラインにおいて機能することを確認した。 ・種々のヒトがんの手術検体(がん組織と正常組織)を対象に、CSの産生を質量分析イメージングを用いて解析し、ある種のがん組織ではCSが大量に産生されていることを見出した。 ・SULT2B1bの発現を欠くC57BL/6マウス由来の乳がん細胞株に、SULT2B1bを強制発現した細胞株を開発し、CSが大量に細胞外へ排出されることを確認した。これに、人工的なネオ抗原を発現させ、C57BL/6マウスに移植し、当該ネオ抗原を認識するTCRトランスジェニックマウス由来のCD4+ T細胞を移入することで、がんの免疫回避におけるCSの機能的重要性を実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SULT2B1bの遺伝子発現に関しても、CSの機能的重要性に関しても、重要な知見が得られており、順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトとマウスでは、胎盤の構築も異なるため、両者を一様に比較するには無理がある。そこで、マウスに関しては、single cell RNAseq等を活用して、SULT2B1b発現細胞の解析を進める予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] The S100A4 protein is essential for development of mature microfold cells in Peyer's patches.2019
Author(s)
Kunimura K, Sakata D, Tun X, Uruno T, Ushijima M, Katakai T, Shiraishi A, Aihara R, Kamikaseda Y, Matsubara K, Kanegane H, Sawa S, Eberl G, Ohga S, Yoshikai Y, Fukui Y
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Journal Title
Cell Reports
Volume: 29
Pages: 2823-2834
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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