2020 Fiscal Year Annual Research Report
Collective cell migration by activation wave of growth factor signal transduction cascade
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19H00993
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 道行 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (10199812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平島 剛志 京都大学, 医学研究科, 講師 (10620198)
高橋 康史 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (90624841)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞集団運動 / 上皮細胞増殖因子 / ERK / マップキナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞集団運動は細胞間接着を保ったまま細胞が移動する現象で、その理解は組織発生、創傷治癒、癌細胞浸潤などを理解するうえで極めて重要である。細胞集団運動時には上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)を介したERKマップキナーゼの活性化が先導する細胞から後方のの細胞へと連鎖反応的に誘導されるERK活性波伝播現象を発見している。2019年度の成果である目標1の研究テーマはすでに論文として発表した。2020年度は、目標3の細胞集団運動を制御するEGFRリガンドは何かについて主に研究を行った。まずMDCK細胞で発現しているEGFRリガンドを既知のRNA-SeqデータおよびqPCRにて探索した。その結果、EGF, HBEGF, TGFα, EREGの順に発現量が多いこと、それ以外の遺伝子の発現は検出できないことが判明した。そこで、この4種類のEGFRリガンドのノックアウト細胞株を樹立したが、ERK活性波伝播現象には影響を与えなかった。そこで、量の多い順からさらに遺伝子ノックアウトを行った。その結果、4種類をノックアウトして初めて、ERK活性波伝播現象が減弱し、これらのEGFRリガンドの重畳性が明らかになった。目標2については、細胞運動時の細胞膜の変化をSICMで観察するとともに、低分子量Gタンパク質Rac1との活性も観察する系を確立した。目標4については観察をすすめるためのEGFRリガンドプローブの作成を行った。すなわちEGF, TGFα, HBEGF, EREGの分子プローブを作成し、期待通りに細胞膜に発現すること、細胞外に分泌されること、の確認ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標1-3まで想定通りに進んでいる。4つすべてのEGFRリガンドをノックアウトした細胞株を樹立し、現在、それぞれのEGFRリガンドの発現を戻すことで、個々のEGFRリガンドの性質の違いを明らかにしつつある。「走査型イオンコンダクタンス顕微鏡による観察」はデータを蓄積しつつあるところである。目標4「EGFRリガンドはどこまで拡散できるか?」については、4種類のEGFRリガンドの観察系が確立できたので、今後、データを蓄積する。なお、目標1についてはすでに論文発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りに進行している。目標3のテーマについては論文投稿準備中である。目標2,4についても最終年度には論文発表できる見込みである。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Gq-protein-coupled receptor signaling in tumor cells promotes cancer immune evasion2020
Author(s)
Kenta Terai, Yoshinobu Konishi, Hiroshi Ichise, Tetsuya Watabe, Yukari Sando, Takefumi Kondo, Choji Oki, Shinya Tsukiji, Yoko Hamazaki, Yasuhiro Murakawa, Akifumi Takaori-Kondo and Michiyuki Matsuda
Organizer
AACR Virtual Special Conference on Tumor Heterogeneity: From Single Cells to Clinical Impact
Int'l Joint Research