2023 Fiscal Year Annual Research Report
シグナルと力のゆらぎが上皮組織の可塑性を支配するしくみ
Project/Area Number |
19H00996
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
林 茂生 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (60183092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 達夫 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (10359888)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アクチン / ミオシン / DAAM / Zasp / 管形成 / ショウジョウバエ / 気管 |
Outline of Annual Research Achievements |
管状の上皮組織が細胞の内的なノイズや、外部環境からの撹乱を受ける状態で、形態形成を安定して進行させる仕組みを研究した。本研究ショウジョウバエ胚の気管組織における形態制御の仕組みを追求した。気管は内腔が閉じた状態で発生し分岐とネットワーク形成を完了する。その後内腔に多糖のマトリックス(キチン)を蓄積させて内圧を上昇させて内腔を拡張させる。体内に張り巡らされた気管の中での内腔拡張は局所的に大きく揺らぐことになり、揺らぎが保持されると管の内径は領域によって大きくばらつくことになる。管の拡張度に応じて気管の拡張力に拮抗する機構として、管に内腔面に沿っての周長方向に沿って配列し、収縮力を与えるアクチンケーブルの形成について研究した。前年度までにアクチンケーブルがアクチンの小集合体(アクチンナノクラスター)の連結によって生じることを示した。本年度はアクチンナノクラスターの動態を司る分子として同定したアクチン重合因子DAAM、クロスリンカーZaspをはじめとする分子の機能を盛り込んだ分子モデルを構築し、シミュレーションでアクチンナノクラスターの形成、動態と周長方向に等間隔に整列したパターンを再現することに成功した。さらにパラメーターを変化させることで各要素の貢献度を明らかにすることができた。これらの結果はアクチンケーブル形成はアクチンナノクラスターが細胞膜上の張力空間を感知して周長方向に融合することで形成される、創発的プロセスであることが示された。結果は論文で報告した。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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