2019 Fiscal Year Annual Research Report
幼弱神経系における興奮形態形成連関による回路形成制御機構
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19H01007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾藤 晴彦 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (00291964)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳・神経 / カルシウム / 幼弱脳 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究にて、申請者は、新たな幼弱神経内Ca2+動員機構として、局所的な自発的再生的一過性Ca2+上昇(Spontaneous Regenerative Ca2+ Transient, SRCaT)を発見し、幼弱期にまだ電位変化がNa+スパイクに依らない時期に、SRCaTがL型Ca2+チャンネル開口を介して発生するCa2+流入の引きがねとなることを明らかにした。そこで、本研究では、幼弱神経系における興奮形態形成連関による回路形成制御機構を解明するため、1)まず脳発達期におけるin vivo 幼弱神経系にて、L型Ca2+チャンネル依存的な新規Ca2+動員機構SRCaTが発生する時期・条件を解明し、さらに2)SRCaTの下流で興奮形態形成連関を担うCa2+/CaM伝達経路を明らかにし、引き続き、3)興奮形態形成連関により制御される神経回路形成ステップを同定することを目的としている。 そこで、初年度の平成31年度/令和元年度には、1)脳発達期におけるin vivo 幼弱神経系にて、シナプス形成期より以前の段階における自発的一過性カルシウム活動の計測が可能となる可視化条件の検討と最適化を実施した。2)さらに、SRCaTの下流で興奮形態形成連関を担う可能性のあるCa2+/CaM依存的伝達経路の絞り込みを実施した。また、3)興奮形態形成連関がもっとも活発な細胞移動期におけるCaV1.2等の意義について検討した。次年度以降、さらに幼弱期のシナプス形成前の神経回路形成期におけるカルシウムシグナリングの解明を目指していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivo 幼弱脳において、新たなカルシウムシグナリングをin vivo 計測する条件検討が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
興奮形態形成連関が幼弱神経系でSRCaTの下流で制御され、その破綻が脳発達障害の分子機序となりうる可能性を視野に、本研究では、幼弱神経系における興奮形態形成連関による回路形成制御機構の存在に焦点を絞り、その解明を中核に据えていく。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Rational Engineering of XCaMPs, a Multicolor GECI Suite for In Vivo Imaging of Complex Brain Circuit Dynamics.2019
Author(s)
Inoue M, Takeuchi A, Manita S, Horigane SI, Sakamoto M, Kawakami R, Yamaguchi K, Otomo K, Yokoyama H, Kim R, Yokoyama T, Takemoto-Kimura S, Abe M, Okamura M, Kondo Y, Quirin S, Ramakrishnan C, Imamura T, Sakimura K, Nemoto T, Kano M, Fujii H, Deisseroth K, Kitamura K, Bito H.
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Journal Title
Cell
Volume: 177
Pages: 1346-1360
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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