2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19H01033
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
平尾 敦 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (90343350)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | がん |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの発生や悪性化プロセスにおける幹細胞特性・未分化形質(ステムネス)の獲得は重要な生物学的特徴であり、その制御機構の解明は、がんの本態解明の手掛かりとなる。本研究では、発がんに寄与する代謝経路やメタボライトの特定、治療抵抗性とステムネスを制御する代謝経路の特定を進め、がんステムネスの獲得・維持機構を明らかにすることを目標とした。 様々ながん組織において、ニコチンアミドN-メチル基転移酵素(nicotinamide N-methyltransferase:NNMT)が上昇していることから、その代謝物である1-メチルニコチンアミド(1-MNA)に着目して研究を進めた。超分子化学の研究者との異分野融合研究により,水溶性ピラー[6]アレーン(P6A)が1-MNAと特異的に結合し,この結合によりP6Aの蛍光が消光することを発見した。プロトン核磁気共鳴(1H NMR)および等温滴定型カロリメトリー(isothermal titration calorimetry)解析から,P6Aは1:1の割合で1-MNAと安定な錯体を形成すること、Nnmt欠損マウスを用いた解析から,P6Aは夾雑物が含まれる試料中でも1-MNAと特異的に結合し,1-MNA濃度に依存して蛍光が消光することを発見し,質量分析計を用いた従来法と同等の結果が得られることを確認した。この知見を基に、将来的にがん患者の迅速診断に活用されることが期待される。その他、造血器腫瘍の原因や悪性化、さらには、予防、治療に寄与する栄養素由来代謝物を同定した。また、白血病分化制御におけるリソソーム代謝の重要性、脳腫瘍における必須アミノ酸の制御機構の解明を進め、新規の標的分子・経路の特定および治療薬への応用を目指した研究のための有用な知見を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幹細胞特性・未分化形質(ステムネス)の獲得過程において、重要な分子や経路を複数同定しているため
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに同定した分子や経路の更なる解析を進め、目標達成を目指す
|
Research Products
(11 results)
-
[Journal Article] CDK8 maintains stemness and tumorigenicity of glioma stem cells by regulating the c-MYC pathway2021
Author(s)
4.Fukasawa K, Kadota T, Horie T, Tokumura K, Terada R, Kitaguchi Y, Park G, Ochiai S, Iwahashi S, Okayama Y, Hiraiwa M, Yamada T, Iezaki T, Kaneda K, Yamamoto M, Kitao T, Shirahase H, Hazawa M, Wong RW, Todo T, Hirao A, Hinoi E
-
Journal Title
Oncogene
Volume: 40
Pages: 2803~2815
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-