2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19H01033
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
平尾 敦 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (90343350)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの発生や悪性化プロセスにおける幹細胞特性・未分化形質(ステムネス)の獲得は重要な生物学的特徴であり、その制御機構の解明は、がんの本態解明の手掛かりとなる。本研究では、発がんに寄与する代謝経路やメタボライトの特定、治療抵抗性とステムネスを制御する代謝経路の特定を進め、がんステムネスの獲得・維持機構を明らかにすることを目標とした。本年度も、リソソーム機能とがん悪性化に焦点を当て研究を進めた。 昨年度までに、悪性グリオーマ(GBM)におけるリソソーム膜完全性のターゲットの治療可能性を示したため、本研究では、1)リソソーム活性がGBMの特定の悪性形質と関連しているかどうか、2)リソソーム活性はどのように制御されているのかの2点に焦点を当てた。その結果、リソソーム活性は、GBM細胞の悪性特性を示すバイオマーカーであり、これらの細胞におけるミトコンドリア生合成およびアミノ酸代謝の活性化と関連していることを見いだした。さらに、薬剤耐性を示す細胞分画において、その傾向が顕著であることから、がんステムネス、治療耐性とリソソーム機能が深く関与することを見いだした。さらに、その制御機構として、リソソーム生合成のマスターレギュレーターであるMiT/TEFファミリーが、GBMの悪性度進行の重要な決定因子であることを明らかにした。その他、リソソーム膜の堅牢性は、アミノ酸代謝によって制御を受けていること、アミノ酸シグナルの介入によって、GBMの治療効果をためることができることを発見した。以上のように、リソソーム経路を標的とした新規治療薬開発における有用な知見を得た。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)