2021 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of nonhuman primate models for human psychiatric disorders without gene modification and elucidation of its brain dysfunction
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19H01039
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 克樹 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70243110)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サイトカイン / マーモセット / マカクザル / 精神疾患 / 脳機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
新生児期の炎症性サイトカイン暴露により引き起こされる行動および脳機能異常を定量的に評価し、健常個体と比較することにより、その異常の原因を明らかにし、精神疾患モデルとして確立する。2021年度も研究協力者との連携体制を堅持しながら研究を進めた。 これまでにサイトカイン暴露をした個体は、マーモセット6頭、アカゲザル6頭である。 マーモセットに関しては、月1回の行動のビデオ撮影、構造MRIおよびDTI撮像、ASSR(聴性定常脳波)を全頭から記録して解析を進めた。また、4頭から眼球位置の計測、およびメタボローム解析を試みた。さらに3頭から3次元運動量、2頭から逆転学習課題のデータを取得した。これらの結果から、6頭中3頭は多動やアイコンタクトを示さないなどの重篤な行動異常を示し、2頭は軽度な行動異常を示していると評価された。新たな認知課題として、GO/NO-GO課題を開発した。前頭前野の機能を評価するために応用する準備が整ったので、次年度に行動抑制の機能評価を実施する。さらに解析を進めるとともに、個体数を増やす。 アカゲザルに関しては、2頭で認知実験を試みたが、学習できなかった。また、2頭からASSRの記録を実施した。現在解析中である。観察からは、6頭全頭に行動異常が見られた。ビデオシステムを用いたグループ内での行動を解析するための準備が整ったので、次年度に実施する。 データ解析に関しては、本研究費で雇用する特定教員と協力しながら、和歌山県立医大の那波宏之教授、東北大学の川島隆太教授、新潟大学の伊藤浩介准教授と研究室の鴻池菜保助教にアドバイスをもらいながら進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マーモセットで約半数の個体で異常行動が認められている。特に脳活動に関しての研究が進展した。新たな前頭前野の評価課題の開発ができた。また、これまでなかなか適当な評価法がなかったアカゲザルに関しても、ASSRの適用が可能となった。さらに新たな3次元行動評価法の適応も検討できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究協力者であった新潟大学の伊藤准教授を新たに分担研究者として加え、脳活動、特に脳波を用いた解析を進めるべく研究体制を強化して研究を進める。さらに、新たな認知課題としてGO/NO-GO課題を開発した。これをモデル個体に応用し、前頭前野の行動抑制機能を評価する。マカクザルに関しても、脳波を中心とした解析を進めるとともに、ビデオシステムを用いたグループ内での行動を解析する。
和歌山県立医大の那波宏之教授、東北大学の川島隆太教授、研究室の鴻池菜保助教にアドバイスや協力をもらいながら進める。
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