2021 Fiscal Year Annual Research Report
細胞間相互作用に着目したNASHの発症・進展機構の解明と医学応用
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19H01054
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小川 佳宏 九州大学, 医学研究院, 教授 (70291424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国府島 庸之 九州大学, 医学研究院, 准教授 (00650748)
宮澤 崇 九州大学, 大学病院, 講師 (30443500)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | NASH / 細胞間相互作用 / hCLS / マクロファージ / ミトコンドリア / C型レクチン受容体 / 一細胞遺伝子発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までにhCLSを形成するマクロファージで高発現するC型レクチン受容体Dectin-2欠損マウスとNASHマウスを交配したダブルノックアウト(DKO)マウスで肝細胞死が抑制されている可能性が示唆されたため、高脂肪食負荷の期間を長くして検討したが、DKOマウスと対照マウスでは肝線維化や肝癌の発生に有意な差を認めなかった。一方、DKOマウスでは糖負荷試験により、著しい糖代謝の悪化が認められた。全身のインスリン抵抗性に差はなく、単離膵島を用いた検討ではグルコース応答性インスリン分泌が低下していたため、Dectin-2欠損マウスでは膵臓におけるβ細胞機能の低下により糖代謝が増悪する可能性が示唆された。
NASHの発症・進展における肝細胞死とERストレス、ミトコンドリア機能障害の時空間的関連を明らかにするため、NASHマウスの肝臓を経時的にサンプリングし、関連因子の発現変化を確認した。NASHマウスでは高脂肪食負荷5週目より脂肪蓄積が認められ、10週目には肝細胞死から炎症を生じ、15週目には肝線維化が認められた。NASHの進展に応じてオートファジーに関連するP62の蛋白発現が増加することが明らかになった。
NASHの肝臓における炎症細胞社会の空間的変化の解析のため、NASHマウスに蛍光標識した抗体を経静脈的に投与し、肝臓を未固定・未凍結のまま薄切してhCLSを同定した。マイクロダイセクション法により、hCLS周辺領域を分離して非実質細胞を回収し、免疫染色により十分量の伊東細胞、類洞内皮細胞、マクロファージを中心とした炎症細胞により構成されていることが確認された。一細胞遺伝子発現解析に使用するライブラリー作製を試みたが、十分量のcDNAが得られず、細胞回収・分散の条件を再検討している。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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