2020 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of tissue interaction in human eye development.
Project/Area Number |
19H01063
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西田 幸二 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40244610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻川 元一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70419472)
林 竜平 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (70535278)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 器官発生 / SEAM / 疾患特異的 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではヒト器官形成時における各組織のクロストークメカニズムを解明する事を目的とする。具体的には、SEAM自体がどのようなメカニズムによって 発生してくるかを検討する。SEAMでは発生系譜の違う細胞、組織原基が同心円状に配置する。この発生段階における時間的空間的遺伝子発現の解析やCRISPRを用いた発現制御や特異的阻害を用いた研究によって、SEAMの同心円構造構築にかかわるシグナル経路の同定をおこなう。これにより、ヒトの器官形成における根源的なシグナルメカニズムの同定ができると考えている。次に、SEAM形成という表現型を利用してヒト眼球 形成異常の疾患特異的iPS細胞を利用する他、化学的変異導入を用いたヒト器官を対象とした初めてのForward Geneticsをおこなう。 本年度においては1.SEAM自体の発生のメカニズムの解明 I-1.SEAMの各層の細胞の起源の検討を Brainbowで細胞系譜解析を行った。昨年度作成したBrainbow株に対して、発生初期において細胞系譜解析を行ったところ、SEAMは基本的には1色からなるものが多く、SEAMは一つの細胞から誘導されてくることが強く示唆された。2.世界に先 けてのヒト器官におけるForward Genetics Screening(ランダム変異) 世界で初めてのヒト器官をターゲットとしたForward Genetics Screeningを遂行するため、本年度においては iPS細胞におけるENU(Nニトロソウレア)による変異誘導を昨年行った。今年度においてはSEAM誘導を行い、その異常を起こす92株の同定をおこなった。これらの異常は表現型により5つほどのパターンに分類され、我々はそれらのうち、2層の発生が不良で異常になるもの、3層の形状に異常をきたすものについて、全ゲノムシークエンスを行い、解析を進めている。現在、得られてきた変異についてサンガー法での確認を進めるのととともにCRSPRによるノックアウト、および、RNAseqを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Brainbow解析、および、Mutagenesisの解析がおおむね、計画道理に進行している。それぞれ、系譜解析用のiPS細胞の作成から実際の系譜解析の開始、ランダムミュータジェネシスの実行と、変異体の分離、そして、その解析を行っている
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Strategy for Future Research Activity |
Brainbowにおける系譜解析を引き続き行うことで細胞の位置と発生との関連を検討するのとともに、神経堤由来の組織の発生について引き続きSEAMおよび、モデル動物を用いて検討を行っていく。モデル動物にはマウスとゼブラフィッシュの遺伝子改変モデルを使用する。また、特に神経堤細胞いおいては概略では述べなかったが、発現解析により、今まで不明であった、例えば水晶体上皮幹細胞のマーカー候補や、文献的検索により、黄斑部のマーカーの発現等も把握しつつあり、時間空間的なこれらの分子の発現をSEAM上で見るのとともに同様にモデル動物での遺伝子改変体を用いての検討を行う。ミュータジェネシスの検討においては原因変異の同定を RNAsewの結果等も参考にしつつ、サンガーシークエンスで同定したのち、ノックアウト(CRSPR)による表現型の再現により、病因変異の決定を行い、同様の表現型を示す群のなかで、その遺伝子がどのような機能をもつのかを検討していく
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Research Products
(21 results)