2021 Fiscal Year Annual Research Report
Epidemiological study for control of respiratory syncytial virus from a global perspective
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19H01072
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
押谷 仁 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80419994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 道子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (10593981)
斉藤 繭子 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (20598031)
神垣 太郎 国立感染症研究所, 感染症疫学センター, 室長 (80451524)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | RSウイルス / 呼吸器ウイルス / コホート研究 / フィリピン / ザンビア |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度はフィリピンで得られたRSウイルスの家族内伝播についての解析をさらに進めた。その結果、RSウイルスの伝播のほとんどは家族が感染してから7日以内に起きていることや、発症前にも伝播が起こりうること、さらには5歳未満の子どもには伝播が起こりやすいことなどを明らかにした。この解析はシンガポール大学のAlex Cook教授と共同で行ったもので、その結果はAmerican Journal of Epidemiologyに掲載された。フィリピンでのコホート研究の解析からRSウイルスはより重症化に関与していることを明らかにした(Clin Microbiol Infect. 2021)。また、コホート研究のデータを出生時からデータが得られている小児に限定して、出生コホートとして解析した結果でも、RSウイルスは重症例が多く、特に乳幼児期に重症例が多く発生していることが明らかになった(BMC Infect Dis. 2022)。ザンビアではRSウイルスの遺伝子解析を進め、ザンビアに固有の遺伝子型のウイルスが伝播していることを見いだした。RSウイルスに感染した重症および軽症の小児でのホスト遺伝子発現パターンを比較したところ、重症例ではT細胞応答に関わる遺伝子発現が低下していることを見いだした(Pediatr Res. 2021)。これらの結果は今後の低・中開発国でのRSウイルス対策を考える上で重要な知見であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19パンデミックにより渡航はできなかったが、既存のデータ解析を進めることができた。また、フィールドでの研究についてもウェブ会議などを通して進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
渡航制限が解除され次第、現地に赴き研究についての協議を行うことを計画している。
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