2021 Fiscal Year Annual Research Report
Innovation for perceptual learning
Project/Area Number |
19H01090
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大西 秀明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90339953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田巻 弘之 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (40253926)
佐藤 大輔 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (60544393)
児玉 直樹 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (50383146)
大鶴 直史 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (50586542)
田口 徹 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90464156)
前田 史篤 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (00341157)
山本 智章 新潟医療福祉大学, その他部局等, ロコモティブ症候群予防研究センター副センター長 (30445902)
山代 幸哉 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (20570782)
犬飼 康人 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (20757801)
小島 翔 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (10780330)
齊藤 慧 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (80707315)
宮口 翔太 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (60780343)
横田 裕丈 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (20827472)
長坂 和明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (70833812)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳構造 / MRI / VBM / 二点識別覚 / 触覚方位弁別覚 / 体性感覚機能 / 中側頭回 / 下頭頂小葉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は,①体性感覚機能を客観的に評価するためのバイオマーカーを探究,②体性感覚機能を向上させるための知覚学習法を開発,③知覚学習が運動遂行能に及ぼす影響解明,④動物実験を通した知覚学習の神経基盤解明である. 2021年度は二点識別覚(2PD)および触覚方位弁別覚と脳構造との関連性を主に解析した.2PDは体性感覚空間識別能力を反映するが,2PDと皮質灰白質(GM)容積との関係に関するエビデンスは極めて少ない.そこで,若年健常者における皮質GM容積と2PD閾値との関係を詳細に解析し,体性感覚機能の個人差を反映する脳構造の特徴を明らかにすることを目的とした.20-32歳の健康なボランティア42名(女性20名)を対象にして,パーソナルコンピュータで制御可能な特注の検査装置を用いて2PDを測定した.また,GM容積は3T-MRIスキャナーを用いて取得したT1強調画像を対象にしてvoxel-based morphometry法を用いて算出した.事前に本システムで計測・解析したGM容積の再現性は高いことを確認した(Cereb Cortex. 2021. doi: 10.1093/cercor/bhab370).42名の2PD閾値は2.58±0.54mm(平均±標準偏差)であった.2PD閾値とGM容積の関係を重回帰分析した結果,2PD閾値が低いほど(すなわち体性感覚機能が優れているほど),中側頭回から下頭頂小葉までのGM容積が少ないことが判明した(p < 0.05,クラスターレベルFEW補正).このことから,皮質GM体積は体性感覚機能のバイオマーカーとなり得る可能性があることが明らかになった.一方,触覚方位弁別覚とGM容積との間にはそのような関連性が認められなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
体性感覚機能を反映するためのバイオマーカーを探索するため,様々な脳機能計測機器を利用し,体性感覚機能と皮質構造や皮質活動との関係性を解析している.現時点で,研究実績の概要欄に記載したように大脳皮質の下頭頂小葉から中側頭回にかけての灰白室容積が体性感覚機能のバイオマーカーとなり得る可能性があることを明らかにした.さらに,知覚学習の神経基盤を解明するための実験システムも構築し,実験の開始していることから,順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,体性感覚刺激時の皮質活動の特徴に加えて,機能的結合の強度と体性感覚機能との関係性を細に解析する.加えて,知覚学習のメカニズムを探求するために構築した動物実験システムを活用し,複雑な触圧覚刺激(擦るような刺激)時の皮質活動の特徴を明らかにし,かつ,一定時間体性感覚刺激を与えた後の皮質活動の変動についても解析する予定である.
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