2021 Fiscal Year Annual Research Report
深層学習がもたらすパラダイムシフトを加速するネットワーク設計理論の構築
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19H01110
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡谷 貴之 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (00312637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅沼 雅徳 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (00815813)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 深層学習 / コンピュータビジョン / ニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においては,コンピュータビジョンの基本的問題をターゲットに,最適な深層ニューラルネットワーク構造ならびにその適用方法を開発し,主に3つの成果を得た.具体的には,画質改善および視覚SLAM(Simultaneous Localization And Mapping,ロボットや車両搭載カメラからの自己位置推定・地図生成の問題)をターゲットとした. 1件目は,High-Dynamic Range Imaging(HDRI),すなわち露出を変化させた複数画像を入力に,高ダイナミックレンジ画像を生成する問題に対し,世界最高精度(論文発表時)を達成する新たな方法(ネットワーク構造および学習方法)を開発した成果である.ネットワーク構造をタスクの性質に応じて設計する方法論につながる知見が得られた.本成果は,国際会議ACM MM2021(ACM International Conference on Multimedia)に投稿し,採択された. 2件目は,視覚SLAMで必要となる多視点画像に対して行う幾何学的な最適化計算を,グラフネットワークを用いた深層学習によって実行する方法を,世界で初めて開発したことである.最適化問題へのグラフネットワークの設計・適用方法の知見を得ることができた.本成果は,国際会議ICCV2021(International Conference on Computer Vision)のオーラルセッションに採択された. 3件目は,同じく視覚SLAMやStructure-from-motionの適用領域を,映像センサの能力の下限付近にある低照度シーンでも利用可能にする枠組みを新たに提案したことである.同分野の研究者が今後の研究に活用できるように,データセットを構築し公表した.本成果は,国際会議ICCV2021(同上)に採択された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
画質改善タスクを主なターゲットに,多様なコンポーネントを組み合わせて1つのネットワークをデザインする方法論が徐々に固まってきている.その成果は上述の通り,難関国際会議の論文1編として採択されている.さらに,従来適用が見られなかった幾何学推定問題に対し,深層ニューラルネットワークのモデル設計と適用を行うことに世界で初めて成功した.グラフネットワークを用いる方法であり,デザインの方法論に新たな1ページを与えるものと言え,今後の研究につながるものとなる.
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Strategy for Future Research Activity |
多様な問題に深層学習を応用する方法論を構成するためのピースを構築してきた.最終年度においては,これらをまとめ上げ,一つの普遍的な枠組みに昇華させてゆく.そのため,さらに幅広い問題に適用することを考え,かつそれらへの適用方法に共通する普遍的な仕組みを見出し,言語化することが目標となる.この方針にしたがって,最終年度の研究に取り組みたい.
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