2019 Fiscal Year Annual Research Report
Audiovisual spatial attention controlled by self-initiated attention
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19H01111
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塩入 諭 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (70226091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Tseng Chiahuei 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (00793811)
羽鳥 康裕 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (30750955)
坂本 修一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60332524)
酒井 宏 筑波大学, システム情報系, 教授 (80281666)
栗木 一郎 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (80282838)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自発的注意 / 視聴覚注意 / クロスモーダル / 脳波 / 定常的誘発脳波 / アルファ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、視/聴覚刺激呈示装置を構築(視覚刺激部分)が終了したが、研究員の雇用ができなかったため予定されていた視/聴覚刺激の注意位置の効果に関する予備実験は延期された。その他の計画は予定通り実施され、十分な成果を上げた。特にSSEPを利用して、視聴覚刺激が混在する条件で、視覚的注意効果の計測が可能であることを明らかにした。また関連して同様の手法を脳磁図計測(MEG)にも展開し、信号源推定を試み、一定の成果をえることができた。その他国際会議においてSSEP計測に関する招待講演を行い、脳波による注意計測に関する成果を広く広報した。 聴覚刺激混在の視覚的注意条件では、視覚的注意を向けた位置の視覚刺激に対する応答に加えて、聴覚刺激に対する応答についての検討を行った。視覚刺激に対しては、先行研究と同様に注意位置を中心に広く注意効果を示す結果を得ることができた。それに対して、聴覚刺激の応答は、注意位置付近で低下する傾向がみられた。この点は、予想外の結果であり、視聴覚注意の相互作用に関する今後の検討課題となる。また、視覚的注意が、手の運動のゴール位置に向けられる効果にちてもSSEPでの計測に成功し、今後の複合的注意条件において自発的な注意状態変更の影響を観察するために有効な手法であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、視/聴覚刺激呈示装置を構築(視覚刺激部分)が終了したが、研究員の雇用ができなかったため予定されていた視/聴覚刺激の注意位置の効果に関する予備実験は延期され、この点ではやや遅れているといえる。ただし、その他の計画は順調に進んでいることから、その遅れは大きくなく、次年度での研究員の雇用により容易に取り戻すことが可能であると考える。特に以下の内容は、予定外の進展もみられ、全体としてはおおむね順調に進められているといえる。1)SSEPを利用して、視聴覚刺激が混在する条件で、視覚的注意効果の計測が可能であることを明らかにした。2)脳波に関するSSEPと同様の手法を脳磁図計測(MEG)にも展開し(SSEF)、信号源推定を試み、一定の成果を得ることができた。3)国際会議においてSSEP計測に関する招待講演を行い、脳波による注意計測に関する成果を広く広報した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画は以下の点に注力して進める。1)延期されている視覚注意位置の視覚処理への影響および聴覚処理への影響の計測を行う。そこでは、刺激の周波数に対応する脳波成分を利用する脳波計測、定常的誘発脳波を用いた注意効果計測手法を、視聴覚刺激に対する同時計測手法として確立する。2)定常的誘発脳波を用いた計測によって、複数位置へ注意を向けた時の、視覚注意の視覚刺激の影響、視覚注意の聴覚刺激の影響、聴覚注意の視覚刺激の影響、聴覚注意の聴覚刺激の影響についてそれぞれ計測し、視聴覚統合注意に関する基礎的データを収集する。3)自発的注意変更時の脳活動計測実験を実施し、自発的注意計測の研究手法を確立する。自発的注意研究では、被験者が任意のタイミングで、任意の対象に注意を向ける実験を計画する。これは過去に例をみない挑戦性の高い実験であるが、注意計測手法については十分な実績があり、検討に値する成果を見込める環境にある。以上の3点に加え、視聴覚統合注意、手の運動の視覚的注意の関連など、より日常的に意味の大きな条件における自発的注意研究への展開も検討していく。
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