Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
世界の陸域の30%にも及ぶ酸性土壌では、硝化活性が中性土壌と同等で、N2Oの発生率が高い。しかし、酸性土壌の窒素サイクルは不明であった。その理由は、酸性環境に適応した硝化菌が未知で、また硝化の中間代謝物(亜硝酸など)が酸性条件で受ける化学反応と硝化菌の関係が不明なためである。そこで、本研究課題ではこれらのメカニズムを検討する。研究代表者らは独自の方法で新規のアンモニア酸化菌を分離し、さらに、酸性適応型微生物コミュニティの分離へと発展させている。未解明の亜硝酸酸化菌の探索に加えて、酸性土壌の高いN2O生成能が、硝化反応と化学反応の共役が原因であるという仮説を立て、具体的な証明の提案をしており、成果が期待できる。