2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an early warning information system for the effects of global warming/climate change on fish reproduction
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19H01162
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 洋嗣 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (10447592)
楊 偉 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 助教 (80725044)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 生態系影響評価 / 地球温暖化 / 気候変動 / 魚類繁殖 / 指標種 / 性決定機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
異常水温が魚類生殖機構に与える影響評価系確立へ向け、本年度は①対象種野生集団における性転換個体の実態調査、②リモートセンシング・地理情報システムを用いた広範囲水温監視システムの構築、③遺伝生化学的手法を用いた水温起因性生殖障害アセスメントツールの開発、の3項目に取り組んだ。まず①については、国内指標種であるギンイソイワシ野生集団を対象とし、2014-2023年までの10年間に渡る各年級群における性転換と水温および日長の因果関係を調査した。XX個体1147尾、XY/YY個体1337尾の孵化日推定を行い、GLM分析した結果、XX個体では経験水温が高く、経験日長が短いほど雄性転換の出現頻度が高くなり、XY個体では経験水温が低いほど雌性転換の出現頻度が高くなる傾向が認められた。南米指標種であるペヘレイでは、2015-2019年までにアルゼンチンで捕獲した野生集団を用いた性転換実態調査に取り組み、耳石輪紋解析により捕獲個体を年級群別に区分した後、性転換率を算出したところ、2017年級群で高い雄性転換率(XX-雄)が確認された。さらに、2018年級群は遺伝型性がXXに偏ったことから、性転換個体が頻出した場合、次世代の遺伝型性にも影響を与える可能性が示された。②については、気象衛星のひまわり8号とLandsatから得られた情報を用い、衛星データに基づいた世界中の湖沼の輝度温度を可視化するためのアプリの開発に取り組むとともに、湖沼表層水温の衛星モニタリングのため水温推定アルゴリズムを開発した。③に関しては、水温誘起性転換時における脳内発現遺伝子の解析を行った。その結果、雌化水温では56遺伝子が、雄化水温では59遺伝子がXX/XY間で有意に発現量に差がある遺伝子として単離された。これら遺伝子は、免疫・アポトーシスに関連しており、生殖障害の評価ツールとして有用である可能性が高いと期待される。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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