2020 Fiscal Year Annual Research Report
名取新宮寺一切経本を中心とした『続高僧伝』の総合的研究
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19H01191
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 智寛 東北大学, 文学研究科, 教授 (10400201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐竹 保子 大東文化大学, 外国語学部, 特任教授 (20170714)
冨樫 進 東北福祉大学, 教育学部, 准教授 (20571532)
川合 安 東北大学, 文学研究科, 教授 (30195036)
堀 裕 東北大学, 文学研究科, 教授 (50310769)
長岡 龍作 東北大学, 文学研究科, 教授 (70189108)
斉藤 達也 国際仏教学大学院大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (70813731)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 続高僧伝 / 日本古写経 / 新宮寺一切経 / 道宣 / 玄奘 |
Outline of Annual Research Achievements |
隔月で計6回の読書会を開催し、新宮寺本『続高僧伝』玄奘伝の訳注および写本系諸本すなわち興聖寺本、金剛寺本、七寺本、中尊寺本との校勘、写本系テクスト校訂本の作成、版本系諸本との対照表作成を進めた。 12月20日(日)には第二回研究集会「写本から刊本へ」をZoomミーティングを利用したオンライン研究会として開催した。本研究集会は公開研究会として、池麗梅(国際仏教学大学院大学准教授)氏による公開講演「『続高僧伝』と刊本大蔵経」、研究分担者である斉藤達也による研究報告「新宮寺本『続高僧伝』巻八慧遠伝のテキストについて―諸本校異から見た特徴―」を実施した。 池麗梅氏の講演では、講師の長年にわたる研究にもとづき『続高僧伝』最古のテクストである光明皇后発願五月一日経3巻から宋代以降の版本大蔵経に至る本文の系譜が示され、『続高僧伝』という成立の複雑な文献を造影剤として大蔵経の系統をたどるという、今後の大蔵経研究の方法について展望が示された。 斉藤達也による研究報告では、新宮寺本『続高僧伝』巻八の本文とその他8種のテクストとの比較により、新宮寺本は写本系では興聖寺本に近いが独自の文字も有すること、版本系では江南系よりは高麗再彫本との共通性が高いことが報告された。併せて、新宮寺本は誤字が多く、校勘の跡も見られるもののその精度は高くないことも指摘された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの流行により、新宮寺本『続高僧伝』のうち東北歴史博物館寄託分の調査撮影や、京都国立博物館所蔵の中尊寺本の調査など、学外での研究活動が不可能な状態が続いた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの流行の様子を見ながら、各所蔵期間が許す範囲において資料の調査撮影を進める。並行して、既に撮影した資料については翻刻や校勘などの作業を出来るところまで進めておく。
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Research Products
(19 results)
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[Book] 日本思想史事典2020
Author(s)
日本思想史事典編集委員会(編)、冨樫進著
Total Pages
718p(p187,pp.198-203)
Publisher
丸善出版
ISBN
9784621304587