2020 Fiscal Year Annual Research Report
シリア語キリスト教圏における宗教伝承と文字文化の関係の研究
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19H01196
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
戸田 聡 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (20575906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英海 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20349228)
青木 健 静岡文化芸術大学, 文化・芸術研究センター, 教授 (50745362)
武藤 慎一 大東文化大学, 文学部, 教授 (90321455)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | キリスト教 / 新約聖書 / シリア語 / ギリシア語 / アルメニア語 |
Outline of Annual Research Achievements |
学界の通説(言うまでもなく、国際学界における通説)に対して挑戦することを骨子としている本研究計画にとって、第2年度の最も重要な活動は国際シリア学会(2020年7月、於パリ)への参加だった。すなわち具体的には、同学会における研究発表、そしてそれに対する様々な指摘・批判を踏まえて、何らかの形で発表を論文化・公刊することが本研究計画の中核を成すはずだった。しかしながら、周知のコロナ禍の結果、同学会は2020年には開催されないこととなり、2年延期されて2022年夏(つまり本研究計画の終了以後)に実施予定ということになってしまった。これがまず、本研究計画にとっての大誤算である。 次いで、2020年度前半は全国の大学でオンライン授業が本格的に導入されることとなった学期だが、既に種々報道されているように、オンライン授業のための負担は従来の対面式の授業に比べて格段に重く、そのため2020年度前半は事実上研究を停止せざるをえない状況にあったと言ってよい(第1年度の報告書に書いた所属大学の職員組合の役員としての職務も、これに重なり、職務負担を倍加したと言ってよい)。2020年度後半は、研究代表者自身は所属大学でのサバティカル研修期間に入ることとなり、状況は大幅に改善されたが、それまでの遅れを取り戻すことは無論容易でない。 以上、研究計画実施の遅延に関する状況を述べたが、これらを踏まえて2020年度後半では、この間社会的にも普及しつつあるオンライン会議の形式により実施された日本聖書学研究所の例会に於いて、本計画に密接に関連する発表を行なった。また、ギリシア語学に関する国際学会(これもオンライン学会)にも参加し、発表を行なった。その他、本研究計画に関連する様々なオンライン研究会に精力的に参加し、研究の最新動向に関する情報収集に努めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「研究実績の概要」欄で記したように、本研究計画第1年度(2019年度)の後半に発災したコロナ禍の世界的大流行、及びそれを理由とするオンライン授業の負担、並びに国際学会実施スケジュールの大幅な変更等によって諸事万端にわたって計画に狂いが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
本報告を書いている時点が既に研究計画第2年度(2020年度)終了時、または最終年度である第3年度(2021年度)開始時であることに鑑みれば、本来行なうべきであって諸般の事情からできていなかった(完成していなかった、或いは着手できていなかった)事柄は、それこそ片端から片づけていく必要があり、方策・手順の如何を問わず、全力を尽くして事に当たる以外のすべはない。より具体的に言えば、本研究計画が参集の拠点としている「古代・東方キリスト教研究会」を舞台として、可能な限り毎回研究会会合で本研究計画にかかわる発表を行ない、かつ討議を行なうことを通じて、できる限り遅れを取り戻し、かつ研究の実(じつ)を挙げるべく努力する所存である。
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Research Products
(6 results)