2021 Fiscal Year Annual Research Report
シリア語キリスト教圏における宗教伝承と文字文化の関係の研究
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19H01196
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
戸田 聡 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (20575906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英海 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20349228)
青木 健 静岡文化芸術大学, 文化・芸術研究センター, 教授 (50745362)
武藤 慎一 大東文化大学, 文学部, 教授 (90321455)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | キリスト教 / 新約聖書 / シリア語 / ギリシア語 |
Outline of Annual Research Achievements |
第2年度で大幅な遅れを記録することとなった本研究計画だが、残念ながら最終年度の第3年度についても遅れの挽回には至らなかった。 今さらながら、そもそものアプローチに問題があったことを認めざるをえない。つまり本研究計画自体の内容については、通説批判(の姿勢)が昨今の科研費支援で重視されているという情報があり、そのことと研究代表者自身の問題関心がたまたま合致したことが本研究計画の実施を可能にした面があったが、その関心に対する問題意識が代表者自身と分担者との間で必ずしも共有されず、したがって、それぞれ独立した一家を成すそれら分担者に対して、自らの研究関心を曲げて本研究計画への専心的な関与を求めることは困難であり、実質的には研究代表者の独り相撲という面が強かったと言わざるをえない。 研究実績に関しては、研究会会合での発表などは実施してきたものの、それが論文などの形でまとまったものとして発表されるには至っていない。具体的は、『トマス行伝』の著作原語をめぐる問題については2021年6月の古代・東方キリスト教研究会(https://ancienteasternchristian.wordpress.com/ )第55回会合で口頭発表を行ない、本研究計画の立場と異なる諸々の通説的理解(シリア語著作原語説)を批判したが、それに代わる説(ギリシア語著作原語説)を積極的に支持する証拠を発見するには至っていない。『行伝』という著作自体の長さも相俟って、量的にこの研究は、学位論文のための研究のように数年の集中的な研究を必要とすることが明白であり、現在も研究は継続中である。また、アフラハトの新約聖書参照をめぐる問題についても、論文作成を目ざして研究を手がけたが、研究の充分な進展を見るには至っておらず、当初予定していた2021年度中の論文執筆は断念を余儀なくされた。この点に関する研究も現在継続中である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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