2021 Fiscal Year Annual Research Report
予測を生み出す推論装置―文学・数学・美術史・科学哲学史・認知科学からの展望
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19H01201
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 靖子 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (70262483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 徹 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (20543474)
松井 裕美 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (40774500)
戸田山 和久 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (90217513)
大平 英樹 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (90221837)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 予測 / 推論装置 / 遅れ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は対面での研究会は2回となったが、それ以外にオンラインやメールにより、各自の研究の進捗状況を随時報告し合うなどして、「予測」「遅れ」「推論装置」「潜伏」などのキーワードを中心に、主題を構想し、連携を図った。その中で代表者は、構造的トピックモデルという、確率的に生成するモデルを用いたテキストマイニングの手法を、文学研究に応用するためのテキストクリーニングを重ねた。また、この分析法の概念的理解を深めるために、人文学におけるデータサイエンスを専門とする研究者らを交えて、数回に亘り、研究交流を図った。これらの成果を共編著として出版した。 研究会やメールでの議論を通して、本研究課題を基盤として、これをさらに発展的に展開させるための研究プロジェクトを構想し、そのために、メンバー以外にも、関連する研究テーマ・手法を用いた実績を持つ研究者らと研究交流の場を設定し、テーマごとにミーティングを重ねた。 これらを通して、代表者は、フロイトという思想家の最初期から最晩年に至るまでの思考の変遷を、構造的トピックモデルにより浮かびあがらせることができた。これを論文として発表したことを機に、「予測と創発」という主題を中心として、論集を構想するに至った。この構想を具体化し、論集として充実させるために、上述の研究交流の場での議論に参加した研究者らと共に、本のコンセプトを検討した。このように企画した論集は、名古屋大学出版助成に応募し、採択された。年度の後半には、本のコンセプトに基づき、各執筆者間の連携を図ると共に、各自の原稿をさらに洗練すべく務めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度には対面での研究会を定期的に開催し、メンバーらの研究の進捗状況を報告し合うと共に、メンバー各自がそれぞれの分野で共同研究の成果を口頭発表や論文として発表した。さらに共同研究としての成果発信として、論集の主題や構成について何度も打ち合わせを行い、論集のタイトルを『予測と創発ー理知と感情の人文学』とすることとした。これに基づき、メンバー以外の執筆者の参加、出版に向けたスケジュールについても打ち合わせを重ね、各自の研究を踏まえた論集の充実化のために意見交換の場を確保しつつ、出版助成を獲得することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの共同研究の成果をまとめ、獲得した出版助成により論集として成果を発信すると共に、さらに研究を展開していくための後継プロジェクトについて頻繁に意見交換を行った。
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Research Products
(18 results)