2019 Fiscal Year Annual Research Report
Indian Music as Cultural Resource in Post-Independence Era
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19H01206
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
田中 多佳子 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70346112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 吉孝 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 教授 (00290924)
小日向 英俊 東京音楽大学, 音楽学部, 客員教授 (00399742)
田森 雅一 東京大学, 大学院総合文化研究科, 学術研究員 (10592454)
岡田 恵美 琉球大学, 教育学部, 准教授 (60584216)
井上 春緒 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特任研究員 (80814376)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インド古典音楽 / 文化資源化 / データベース / 独立以後 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究全体の概要:全メンバーが会して3回の研究会を開催、進捗状況を報告し合うと共に方向性についての検討を重ねた。また、最終的に構築するデータベース(以下DB)の形を模索するため、専門業者によるDBソフト仕様の講習会を開催した。過去に構築した『音楽家名鑑』(1968年・1984年版)掲載の演奏家全1187名のDBに加え、下記(1)~(4)の情報源を用いて、演奏家情報と演奏記録情報のDBの2種を構築し、最終的には演奏家IDと旋法ラーガのIDによって全DBを関連づけて統合するという方向性を確認した。 2.具体的入力作業の進捗状況:優秀なデータ入力作業従事者の協力を得て、初年度からデータ入力作業が飛躍的に進んだ。(1)『サンギート・ナータク賞受賞者名鑑1958-2011』(2012)所収の受賞者全1170名分の基礎情報のDB化作業完了。(2)『オクスフォード・インド音楽百科事典(OEMI)』(2011)所収の音楽関係者2278名分の基礎情報のDB化作業完了。(3) 国営ラジオ放送局演奏記録:WEB上にpdfファイルで公開されている全4種(北器楽/声楽、南器楽/声楽)の演奏記録のうち、北インド器楽全4053件のDB化作業完了。(4) 『マドラス音楽祭プログラム(Souvenir)』掲載記録:1927年から今日まで欠かさず毎年開催されてきた権威ある音楽祭のプログラムのDB化に着手、約20号分のDB化作業完了。第93回(2019年)までに発行された全プログラムのデータや原資料を入手。(5)旋法(ラーガ)IDの抽出作業:OEMIと『南インド音楽における歌曲索引』(1981)からラーガ名を抽出しID作成作業を進めた。 3.研究成果:(4)の研究の実質的中心をに担う研究協力者の小尾淳が『近現代南インドのバラモンと賛歌―バクティから藝術、そして文化資源へ』(青弓社、2020年)を出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
構築を計画している各種のデータベースのうち、(4)の"Souvenir"(マドラス音楽祭のプログラム)については、完結すれば大変貴重な文化資源となるが、全プログラムデータの入手自体の困難が予想されていた。しかし、多くの研究者・関係者の協力が得られ、最古の第9号(1935)から最新の第93号(2019)までの全号分の収集が、1月の現地調査にて完結したことは予想を超える快挙であった。当初は抜粋号のデータによるものを想定していたが、全データによるデータベース構築の可能性が出てきた。他のデータベースも順調に入力作業が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
各種データベースの入力・修正・構築作業を、前年度同様にオンラインで連絡をとりながら着実に進めてゆく。データベースの構築状況に合わせて、順次、各々のテーマについて現地調査を進める計画であったが、新型コロナウィルスの影響から現地調査には困難が予想されるため、今年度は入力作業とその分析や構造の検討に集中し、少しでも早い完成を目指し、現地調査は来年度以降に行うこととする。対面での研究会の開催は見通しが立たないため、当面は必要に応じオンライン会議で開催し、細部の検討を重ねていく。
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Research Products
(1 results)