2021 Fiscal Year Annual Research Report
複統合的言語の語形成と情報構造に関する研究―抱合と語彙的接辞の比較対照を通して
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19H01253
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
渡辺 己 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30304570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清澤 香 公立諏訪東京理科大学, 共通・マネジメント教育センター, 准教授 (30758793)
呉人 徳司 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (40302898)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 形態論 / セイリッシュ語 / チュクチ語 / 抱合 / 語彙的接辞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は期間中に,まずCOVID-19拡散による未曾有のパンデミックがあり,海外渡航ができない状態が続き,さらに2022年3月からはロシアとウクライナの間に紛争が起こり,分担者・呉人の調査地ロシアへの渡航ができない状況になった。海外での現地調査によるデータ収集を活動の大きな柱としている本課題にとっては非常に厳しい期間が続いてしまった。ようやく2022年の後半になって,調査地のひとつであるカナダへの渡航ができるようになったが,調査を予定していた夏期にはまだ渡航が許されてなかったため,調査の機会を逸してしまった。できればもう一年度,期間を延長したく申請したが,コロナ禍という同じ理由を2回使えないとのことと,ロシア・ウクライナ間の戦争は前年度中に起こったため理由にできないとのことで,延長申請は却下されてしまった。 現地調査により新しいデータを得られなかったことは残念だったが,メンバーそれぞれは,これまでに収集したデータの中で,本課題に関するものを洗い出し精査した。メンバー3人が実際に集まって対面で研究討議をすることもむつかしかったが,そこはメールで情報交換をおこなった。 このような厳しい状況ではあったが,本課題に関して研究の進展がなかったわけではない。まず,いわゆる抱合をふんだんにおこなうチュクチ語では,抱合される要素が名詞には限らず,副詞的なものも抱合しうる。それに対して,セイリッシュ語に見られる語彙的接辞はもっぱら名詞的な要素に限られ,その点,名詞抱合に近い。語彙的接辞の述部内での役割もチュクチ語の抱合に比べて,かなり限られていることがわかった。例えば,語彙的接辞で付加された要素が,道具的な意味を担うことはセイリッシュ語族の言語では非常に稀である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)