2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the neural basis of language through integration of theory, models, and experiments
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19H01256
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
太田 真理 九州大学, 人文科学研究院, 講師 (20750045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大関 洋平 東京大学, 大学院総合文化研究科, 講師 (10821994)
成田 広樹 東海大学, 文学部, 准教授 (60609767)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 言語 / 言語脳科学 / 理論言語学 / 自然言語処理 / 形態統語論 / 脳磁図 / fMRI / 脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は以下の研究を実施した。① 語に対する脳波実験:日本語話者40名に対して、複数の形態素を含む語の処理を行う際の脳波を計測する実験を行った。言語処理で観察される事象関連電位N400の振幅が、形態素の情報へのアクセスや形態素の意味を統合する処理を反映して変化することを明らかにした。② 文に対する脳波実験:日本語話者各20名に対して、日本語の文を視覚提示と聴覚提示した場合の脳波を計測・比較することで、刺激モダリティに依存しない脳の言語処理メカニズムの検討を行った。どちらのモダリティでも、左前頭部の電極で刺激提示と同期した脳波の周波数帯域でパワーの上昇が観察されたことから、左下前頭回を中心とする言語野でモダリティに依存しない言語処理が行われている可能性が示唆された。③ 文に対するMEG実験:日本語母語話者42名を対象に、日本語の文に対する文法判断課題を行わせ、課題中の脳活動をMEGで計測した。特に、文中で次にくる単語を予期する際に変化する脳活動を検討した結果、文を読む際には単語リストを読む場合に比べて、α帯域やβ帯域の脳活動が増大することを明らかにした。④ 言語学習に関する経頭蓋電気刺激実験:日本語母語話者18名を対象に、外国語学習時に脳活動を一時的に増大させることで学習が促進されるか検討する実験を行った。実験では微弱な電気刺激により一時的に脳活動を変化させる経頭蓋電気刺激法を用いた。刺激により脳活動が増大すると、外国語学習後の課題正答率の上昇と反応時間の減少が観察された。⑤ 実験結果に基づく言語理論・計算モデルの再検討:実験の結果に基づいて、言語理論・計算モデルの検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施した脳波実験、MEG実験、経頭蓋電気刺激実験の成果を、日本言語学会、日本神経科学学会、Society for the Neurobiology of Languageなどの学会にて発表した。現在、論文として投稿する準備を進めている。また、新型コロナ感染症の拡大により、一部の実験を繰り越して実施した。繰り越した実験計画についても、感染症対策を行った上で現在実施中であるため、引き続き問題なく研究遂行が可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで本研究課題はおおむね順調に進展しており、今後も現在の研究体制を維持しつつ、研究目標の達成に向け努力を続ける。具体的には、文に対する脳波実験、文に対するMEG実験、言語学習に関する経頭蓋電気刺激実験について、引き続きデータの解析作業を進める予定である。また、取得済みの脳活動データに基づく神経ネットワークのシミュレーションや、モデリングについても引き続き進めていく。新型コロナ感染症の影響により実施時期を延期した実験についても、問題なく実験を開始できているため、研究計画全体の大幅な変更は必要ないと考えている。
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