2020 Fiscal Year Annual Research Report
空間移動と状態変化の表現の並行性に関する統一的通言語的研究
Project/Area Number |
19H01264
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
松本 曜 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 教授 (40245303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉成 祐子 岐阜大学, グローカル推進機構, 准教授 (00503898)
河内 一博 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 総合教育学群, 教授 (00530891)
守田 貴弘 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (00588238)
眞野 美穂 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (10419484)
小嶋 美由紀 関西大学, 外国語学部, 教授 (10431777)
長屋 尚典 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (20625727)
古賀 裕章 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 准教授 (40597241)
高橋 清子 神田外語大学, 外国語学部, 教授 (50364922)
石塚 政行 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (50838539)
中川 裕 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (70227750)
山本 恭裕 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (70830008)
夏 海燕 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (80727933)
江口 清子 宮崎大学, 国際連携センター, 客員研究員 (90812537)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 状態変化 / 移動 / 通言語的研究 / 認知意味論 / 言語類型論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトは、諸言語における空間移動と状態変化を表す表現について、統一的な調査方法に基づき、通言語的研究を行うものである。この二つの表現については意味的また統語的な並行性があるとされるが、その説を、様々な種類の移動・変化の表現に関して体系的、通言語的な調査を行って検証するのが目的である。 2020年度は、前年度に立てた仮説を検証するための予備的な調査を諸言語において進める予定であったが、コロナ禍の中で現地調査を行うことができず、計画変更を余儀なくされた。そのため調査方法を見直すこととし、コロナ禍でも実行可能な調査方法の検討を行った。その一方、コロナ禍でも行うことが出来る研究は進めることができた。特に、すでに得ている諸言語の状態変化構文に関するデータの分析と、状態変化の分類と日本語における表現の分類を進めた。 すでに研究が進んでいる空間移動については、論文の執筆・改訂と公開に力を注いだ。その結果、移動表現に関しては、海外と国内で、それぞれ一冊づつの書籍を出版することができた。その論文集内のものを含めて、英語論文11本のほか、計17本の論文を公刊し、またオンラインの学会などで積極的に発表を行い、10の口頭論文発表を行うことが出来た。これらを通して、各言語の空間移動表現の語彙的・構文的特性に関して、類型論的な特徴についてまとめることができ、各言語の状態変化の表現と比較する基盤が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
状態変化の言語表現に関する研究に関しては、コロナ禍の中、諸言語における調査を行うことが出来ず、計画変更を余儀なくされた。当初予定していた実験調査に代えて、コロナ禍で実行可能な調査方法の確定に時間を用いたが、状況を見通せず、複数回の変更を余儀なくされた。その結果、諸言語の状態変化の研究については進展が小さかった。その一方、日本語に関しては基本的な事項の考察を進めることができ、また状態変化の分類など、理論的な研究に関して大きく研究を進めることができた。比較対象である移動表現の研究については、多くの論文を発表することが出来た。全体としては「やや遅れている」と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
状態変化については、コロナ禍においても実行可能な調査を行い、移動表現との並行性の研究を進める。コーパスが整備されている言語に関しては、コーパスを用いて実験と同等のデータを集める方法を検討する。それ以外の言語については語彙調査を充実させて研究を行っていく。先行して行われている状態変化の分類を日本語に適用して、状態変化表現の分類を行う。それに基づいて他の言語との比較を行う。
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Research Products
(30 results)