2021 Fiscal Year Annual Research Report
日本社会による外国人排除・包摂要因としての認知的言語能力の縦断的大規模調査
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19H01272
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
吹原 豊 福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (60434403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八重樫 理人 香川大学, 創造工学部, 教授 (30410848)
佐々木 良造 静岡大学, 国際連携推進機構, 特任准教授 (50609956)
助川 泰彦 東京国際大学, 教育研究推進機構, 教授 (70241560)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 教科学習言語能力 / 対話型アセスメント / 学校教育関連情報提供システム / 外国人排除・包摂 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究3年度目の本年度は、以下のことを中心に行う計画であった。 1.これまでに申請者らが行ってきた大洗コミュニティの移住労働者の言語使用と日本語習得についての研究成果の順次公開(今年度上半期中の研究書籍の刊行および申請者のホームページ上での成果公開等)。 2.学校教育関連情報提供システムのコンテンツの充実化に向けた調査。 3.大洗コミュニティの子どもたちの認知的言語能力の把握(研究期間内継続予定)。 4.上記3.に関連して、得られたデータを学校教育現場と共有し、子どもたちに対して効果的な支援を行うためのシステムの構築準備。 上記1に関しては、6月にひつじ書房より『移住労働者の日本語習得は進むのか』を出版でき、報告者のホームページ上をはじめ、日本語教育学会秋季大会(11月27日実施の「賛助団体会員ブース」)、「ブックトーク・オン・アジア No.26(京都大学東南アジア研究研究所 12月22日より公開)」等の媒体を通して研究内容の紹介を行った。上記2に関しては、8月から再開した大洗コミュニティを対象としたフィールドワーク時に日本で初等・中等教育を終えた移住第二世代を対象に聞き取り調査(コンテンツ充実に向けた準備作業)を行った。上記3に関しては、過去2年度同様11月に大洗小学校において、同校に在籍するCLD児を対象にDLAを実施できた。上記4に関しては、DLA調査後(2022年1月)に大洗小学校を再訪し、同校の日本語教室指導担当教員と対面で意見交換を行い、情報共有と問題事項に対しての対応策の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度から継続して、コロナ禍の影響を直接的に受けたことが最大の理由である。具体的には、今年度中に昨年度実施できなかったインドネシア共和国北スラウェシ州ミナハサ地方におけるフィールドワークを行う予定であったが、コロナ禍の影響により昨年度に引き続いて叶わなかった。また、海外のみならず、国内でのフィールドワークも8月下旬まで実施できなかった。文献調査やこれまでの研究成果の公表(出版)については概ね計画通りに実施できたものの、コロナ禍の影響は大きく、全体として研究の遅滞を招いていることは認めざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度同様、インドネシアでの調査に関しては、コロナ禍が一定の収束を見るまでは延期せざるを得ない。代替的な手段として、現地在住の日本語教育学者である知人(マナド国立大学、フランキー・ナヨアン准教授)を介してのオンラインを活用した情報収集を行う。 また、大洗町でのフィールドワークについては、2021年度中盤以降のように研究代表者および分担者全員が早期にワクチン接種を行うなどの感染対策に留意しながら可能な限り計画的に実施していく予定である。
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