2020 Fiscal Year Annual Research Report
Cognitive brain science of early foreign-language learning
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19H01280
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
尾島 司郎 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (40404959)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 早期英語教育 / 第二言語習得論 / 言語脳科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
・本研究課題では、子どもを含む様々な年齢の日本語話者より英語に対する脳波(事象関連電位、ERP)を計測する必要がある。音声言語のほうが得意な子どもにも適用できるように、英語の文を音声呈示し、文法処理と意味処理を調べられる実験パラダイムの構築を目指した。実験中の子どもの疲れを考慮し、文脈を文ではなくイラストで呈示する方法を考案し、刺激作成を進めた。一般に言語に対するERPは、当該言語における習熟度が高い被験者からのほうが計測しやすい。本研究では、子どもや習熟度が低い被験者からもなるべく英語に対するERPが計測できるように、これまでに報告されている言語ERP研究を再度くまなく調査し、もっとも確実にERPが取得できそうな文タイプを選定した。 ・子どもがテレビやビデオなどのメディアから言語(母語・第二言語)を学習できるかについて、言語学の教科書は否定的な研究を紹介していることが多かった。これらの研究を精査していく中で、研究方法や結果の解釈に不備がある事が見いだせたので、より最近の研究も含めて、上記の可能性について広く文献調査を行った。具体的には、教科書に載るような古い研究の中には、多くの人に分かり易く納得し易い主張をしたために、厳密な研究手法でなくても、広まってしまったものがあるようである。21世紀に入って多様な第二言語学習の形態が社会に広まっており、今後、それぞれの手法の特徴について厳密に検証していいきたい。 ・子どもと大人の第二言語学習の能力を比較する行動実験について報告した論文が海外の学術雑誌に掲載された。 ・既に取得してある子どもと大人の英語のスピーキングデータに、これまでよりも幅広い分析手法を適用して、分析を進めた結果、より詳細な違いが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大により、大学運営とオンライン授業への対応で研究代表者が忙殺されたため、および、人との接触が著しく制限され脳波計測が実施できなかったため。研究アシスタントもリモート勤務になり、出来る仕事の種類が非常に限定されてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染の対策を施しながら、なるべく早く脳波計測に移行する。既に取得している行動データ、アンケート、インタビューなどの分析を引き続き進める。実験環境の構築のために入手した製品に不具合があり環境が完成してないので、早く完成させる。テレビやビデオなどのメディアからの第二言語学習について、さらに文献調査を進める。メディア以外のテクノロジーを用いた第二言語学習についても研究を進める。
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Research Products
(1 results)