2022 Fiscal Year Annual Research Report
小学校教員の英語発話能力向上を支援する:地域の枠を越えたブレンド型研修の試み
Project/Area Number |
19H01289
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
折井 麻美子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (30334585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大賀 京子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40343016)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 教員研修 / 小学校外国語 / やり取り指導 / ICT / ハイフレックス / オンデマンド配信講義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域の枠を越えて、国内各地の小学校教員の英語発話能力と指導スキル向上を、ICTと対面講習を併用した「ブレンド型研修」で支援し、その効果を検証することである。本研究では、オンデマンド配信講義の構築と、対面研修を組み合わせたハイブリッド型の研修システムの構築を目指す。また、対面研修の会場からリアルタイム配信を行い、自宅や勤務校でも研修を受講可能なハイフレックス型の研修を構築し、実践してその効果を検証することを目ざす。しかし、2019年3月からのコロナ禍により、大幅に研究の予定が遅れた状態が続いている。2022年度になっても、教員研修動画の中に組み込む授業の様子を撮影した映像クリップの撮影が計画した通りにできなかったことが第一にある。これについては、2023年度上半期に最終的な録画を実施し、早急に研修動画の中に組み込むこととしたい。 下半期前半の10月・11月の杉並区での研修については、予定通りに実施することができた。対面研修に参加した教員は非常に意欲的でペアワークについても難なく取り組んでくれた。しかし、事後アンケートにより参加者の層を分析したところ、当初の目的とは合致しない参加者がほとんどであることが分かった。具体的には、研修にぜひ参加してもらいたい英語が苦手や学級担任や、比較的指導歴が浅いJTEや専科教員はほとんど参加しておらず、特に対面に参加した教員はすでに十分な指導スキルと英語力を持った教員であったことが分かった。また、リアルタイム配信で参加した教員が受動的な参加の仕方を好み、グループワークに参加しない傾向があることが分かった。このことから、ハイフレックス型の研修においては、リアルタイム配信で受講する教員には、耳学問としての役割しか果たせず、実践的な指導力向上には寄与していない可能性が高いと結論づけるしかない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍のため、研究年度2年目および3年目(2020年・2021年)について、研究対象である小学校での授業観察や授業の録画、対面での教員研修の試行実施が全くできず、ほとんど研究を実施することができなかった。そのため、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきた計画年度4年目(2022年)に、杉並区での研修の試行や、小学校での授業録画を計画・実施することになった。 授業録画では、学級担任が授業内で自然発生的行ったリキャストなどの指導の様子を撮影することを目的とした。しかし、授業観察を頻繁に実施しても、結果的に研修に組み込むことができるリキャストを用いた指導場面自体が多くはないこと、授業中で大人数の児童がペアワークする中で教員の声を(雑音を抑えながら)録音する技術的な難しさからよい指導場面があっても雑音が激しいために研修で使用できない等の事例が多数発生した。このようなことから、研修動画の準備が進まない状況が続いている。
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Strategy for Future Research Activity |
今までは据え置きのビデオカメラや手持ち用のipadで録画していたが、2023年2月からは、発売されたばかりのiphone 用のマイク(Hollyland Lark C)を用いて録画を開始したところ、よい音声の録画をすることができたことから、研修動画の作成も今後進むことが期待される。6月までに研修動画を完成させる予定である。
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Research Products
(1 results)