2019 Fiscal Year Annual Research Report
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19H01312
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
仁木 宏 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (90222182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七海 雅人 東北学院大学, 文学部, 教授 (00405888)
谷 徹也 立命館大学, 文学部, 准教授 (10781940)
山田 邦和 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (30183685)
村井 良介 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (30419684)
高橋 修 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (40334007)
山田 徹 同志社大学, 文学部, 准教授 (50612024)
天野 忠幸 天理大学, 文学部, 准教授 (50711115)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 城下町 / 守護所 / 南部町 / 根城 / 聖寿寺館 / 三戸城 |
Outline of Annual Research Achievements |
15世紀から17世紀初頭にかけて、武家の地域支配の拠点として発達した守護所、戦国期城下町、織豊期(織田・豊臣期)城下町は、史上はじめて武家が本格的かつ全国的に都市形成を行ったもので、近代・現代都市の出発点でもあった。守護所・城下町研究は、1980年代以降、都市史のなかでもっとも研究が進んだ分野の一つで、現在も発掘調査などによって各地で新しい事例が加えられつつあるが、研究は個別化・分散化が進み、全体像が見えづらくなっている。本研究では、これら守護所・城下町についての最新の研究状況を全国的に収集して共同研究を実施し、権力論、都市空間、経済・流通などの観点から拠点形成の意義を明らかにする。その成果を研究集会の開催などによって公開してゆくことを目的としている。 そうした観点から今年度は、令和元年11月22日~24日、青森県南部町において、研究集会「東北地方北部における武家拠点の形成と変容~聖寿寺館を中心に~」を開催した。第1日(22日)には、現地見学会を実施し、八戸市博物館(八戸市)、史跡根城の広場(八戸市)、南部利康霊屋、史跡聖寿寺館跡案内所(出土陶磁器等見学)などを巡見した。第2日(23日)には、午前中に、聖寿寺館跡周辺(地獄澤土橋、馬場館跡(虎口)、古町、本三戸八幡宮・23代安信宝篋印塔、奥州街道・鹿角街道 追分石)、聖寿寺館跡(虎口、館神稲荷・井戸跡、中心区画、平良ヶ崎城跡、門前(八戸-鹿角街道)、三戸城下、三戸城跡を見学した。午後から、翌日(24日)にかけて南部町立町民ホールにて研究集会を開催した。 研究集会では、10名が研究発表を行った。発表の内容は、北東北にかかわる文献史、考古学、建築史学などからなされたものが中心であったが、それらと比較検討するため、越前国、近畿地方の城館・流通などの報告も得た。なお、集会は、南部町の共催を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症の拡大のため、年度末に進めるべきであった来年度(令和2年度)の準備作業がほとんどできなかったが、年内に予定していた研究内容は予定どおり進捗した。とりわけ、青森県南部町の聖寿寺館遺跡について、これまで全国的にはあまり周知されていなかったが、本研究によってその意義を広く知らしめることができたことは重要であった。また研究集会の成果として、当時の全国的な地域拠点形成と北東北が類似している点、逆に異なっている点などが明らかとなり、今後の聖寿寺館研究に一定のインパクトを与えられたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究第2年次である令和2年度は、6月に予定していた徳島集会は、感染症拡大予防のため年明けに延期となったが、11月の福井集会、1月の岡山集会などは開催の目途が立ちつつある。それぞれの研究集会での報告者のラインナップは終了しており、充実した研究成果をあげられるものと予定している。今後は、広報活動を充実させて、研究の発信力を高めることにも意を払いたい。
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Research Products
(10 results)