2021 Fiscal Year Annual Research Report
「隠し売女」から「淫売女」へ―近世近代移行期における売春観の変容
Project/Area Number |
19H01314
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
横山 百合子 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 名誉教授 (20458657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣川 和花 専修大学, 文学部, 教授 (10513096)
森田 朋子 中部大学, 人文学部, 教授 (80293108)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 近代移行期 / 売春観 / 性感染症 / 遊廓 / 芸娼妓解放令 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題Ⅰ国際環境と国内状況をふまえて、1872年芸娼妓解放令の制定過程と歴史的意義を解明する、Ⅱ「売春の再定義」による売春観の変容を、地域や娼婦の社会的実態および身分的統治から警察管理への移行過程をふまえて明らかにする、という二つの課題について、本年は成果のとりまとめに注力した。また、これらの研究成果の一部は、第2年度に開催した企画展示「性差(ジェンダー)の日本史」においても発信し大きな反響を得ていることから、社会的発信についても引き続き積極的に取り組み、全体として、以下の成果を得た。 ①本年度は、維新期の「売春の再定義」の前提をなす近世遊廓の身分的統治とそれが遊女への抑圧に転化していくシステムを明らかにすることができ、解放令前の遊廓が孕む矛盾の具体的な実態や、近代の地域医療環境をふまえた検梅と性感染症罹患状況の解明と合わせて、上記Ⅰ・Ⅱの課題に応える成果をあげることができた。また、海外調査を実施できなかったため、国内調査の範囲と対象時期を広げ、明治30年代までの長期的な対外関係の変化を視野にいれて売春観の変容を明らかにすることができた。以上に基づき、研究員各自が論文および分担執筆による書籍の刊行を行った。 ②研究のまとめとして、年度末に分担者の所属する中部大学人文学部歴史地理学科・大学院国際人間学研究科歴史学・地理学専攻主催/本科研および19H01311科研(代表者佐賀朝)共催でシンポジウム「幕末から近代における性の売買」を開催し、本研究成果の総括的発信を行った。 ③本研究成果を含む『新書版性差(ジェンダー)の日本史』等の刊行、大学院生・市民向の招待講演等も積極的に実施し、研究成果の社会的発信に努めた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(23 results)