2022 Fiscal Year Annual Research Report
Irrigation and Social Changes in Modern Central Asia: Focusing on the Reciprocal Relationships between Nomadic and Sedentary People
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19H01316
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
塩谷 哲史 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (30570197)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヒヴァ・ハン国 / 水利史、灌漑史 / ウズベキスタン / 史料研究 / フィールドワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、依然として新型コロナウイルス感染症拡大の影響から海外調査が難しい状況が続いていたため、国内の史資料調査と関連分野の研究者間の連携強化に努めた。前者については、東洋文庫、東京大学史料編纂所等で関連史資料の調査を行うとともに、中央アジアの水利史研究を、日本の近世・近代水利史研究の成果に照らして検討し、新たな研究視角を発掘する作業を行った。また後者に関しては、アジア経済研究所基礎理論研究会を舞台に、国内で中央アジア各地の水利史研究を行う研究者と意見交換を行った。 こうした活動の成果の一部として、水利史、ホラズム地方史、史料研究に関連した以下の論文を刊行できた。 Shioya, Akifumi, "Shiite Captive Release Negotiations in Khiva: A Nexus of Khivan-Iranian and Anglo-Russian Relations," Acta Slavica Iaponica, 43, pp.73-93, 2023. Shioya, Akifumi, "Islam and the Nomadic Political Tradition in the 19th-Century Khanate of Khiva," Oriente Moderno, 102, pp.68-87, 2022. 塩谷哲史「19 世紀ヒヴァ・ハン国の年代記」野田仁編『近代中央ユーラシアにおける歴史叙述と過去の参照』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所, 93-106頁, 2023年. 塩谷哲史「ラクダと都市が支えた草原の移動―18~19世紀の中央アジアとロシア―」今村薫編『中央アジア牧畜社会―人・動物・交錯・移動―』京都大学学術出版会, 60-81頁, 2023年.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査の進展にはやや遅れが見られるものの、その分を国内の史資料調査、日本の水利史研究の豊かな成果の参照、関連分野の研究者との連携強化を通じて補うことができた。また英語査読論文の刊行を通じて国際的に研究成果の一端を発信できた点も、今後国際的共同研究の基盤を構築する上でプラスに働くであろう。2016年前後から、欧米の学界において中央アジア近現代の水利・灌漑史研究の分野では単著の刊行が相次いだが、その多くは対象時期を19世紀末から20世紀にかけてに限っているため、19世紀以前を視野に入れた本研究課題の独自性と価値が発揮されていると言える。その点を踏まえても、研究成果の国際学術誌への刊行は意義があったと考えらえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は研究計画の最終年度に当たるとともに、本研究計画と連動した研究課題「近現代中央アジアにおける水利と社会変動―ホラズム地方を中心に―」(国際共同研究強化(A))の海外調査を実施予定である。そのため、研究成果の公表と国内外の研究者との連携強化を進める。前者に関しては、中央アジア灌漑史の単著刊行に向け、関連史資料の読解・整理をこれまで同様進めていく。後者に関しては、国内で中央アジアの水利史を専門とする研究者に本研究課題の分担者に加わっていただき、国外では国際共同研究強化(A)の研究課題の共同研究者との連携を強化し、さらに国内の自然科学分野から中央アジアの水利を専門とする研究者グループとの共同研究を実施する。これらを通じて、国際性、学際性、持続性を持つ中央アジアの灌漑史・水利史研究の基盤を構築する。
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Research Products
(6 results)