2021 Fiscal Year Annual Research Report
清代「内陸アジア交易ネットワーク」の形成・展開と文化変容における歴史的特徴の解明
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19H01326
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
加藤 直人 日本大学, 文理学部, 教授 (90130468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松重 充浩 日本大学, 文理学部, 教授 (00275380)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 内陸アジア / 内モンゴル / 旅蒙商 / 百霊廟 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「旅蒙商」などの所謂「内陸華僑(Inland Chinese)」の活動を軸に形成・展開された、陸路・水路の「内陸アジア交易ネットワーク」と、そこにおける社会・文化変容の諸特徴を、現地における国際政治的な状況を踏まえて明らかにするものである。それは、文献研究を中心に構築された従前の研究成果に、現地調査により新たに収集された様々な資料の分析結果を加えることで、当該領域における諸主体の歴史実態に対する新たな実証水準の提示し、その成果の検討を通じて、当該地域で生起しつつある21世紀の諸問題を検討する上で必要となる歴史的知見の獲得も目指すものでもある。 以上の研究目的に照らして、令和5年度は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の蔓延により繰り越した令和3年度予算を利用して、内モンゴルの旅蒙商移動ルートの現地調査を実施した(令和5年9月4~9日)。調査は、北京→フフホト→武川→百霊廟→満都拉鎮→二連浩特→スニド右旗→正藍旗→多倫→囲場→承徳→北京のルートで実施した。主な調査史跡・施設は、普会寺、百霊廟、百霊廟抗日武装暴動旧址、オロンスム、二連浩特伊林駅站博物館、元上都博物館(上都遺跡)、彙宗寺、山西会館(多倫)、囲場満族自治県、避暑山荘(承徳)。 これらの現地調査では、従前の文献調査水準を超える新たな史・資料の確認は出来なかったが、清代の旅蒙商らの活動ルート上の拠点では、その活動痕跡を、自然景観を含めて確認することができ、今後の文献理解を深めて行く上での補助的な知見を得ることはできた。また、いくつかの史跡では、旅蒙商の活動を改めて記録する施設も整備されており、旅蒙商の記録が現代中国における多民族性や領土的一体性の史実として再規定されつつ保存されている状況も見ることができ、交易ネットワークと政治的な排他的な囲い込みという問題を考える上で示唆的な知見を得ることができた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)