2021 Fiscal Year Annual Research Report
Historical Anatomy of Public Opinion Making in Australia: Public Meeting Data Analysis via Natural Language Processing
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19H01330
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤川 隆男 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70199305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 武司 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (70533470)
チョ シンキ 京都大学, 情報学研究科, 特定准教授 (70784891)
梶原 智之 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 助教 (70824960)
長原 一 大阪大学, データビリティフロンティア機構, 教授 (80362648)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パブリック・ミーティング / 公共圏 / 自然言語処理 / 世論形成 / デジタル・ヒストリー / オーストラリア史 / Trove / 社会運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は7項目の計画を実施予定であり、その達成状況を報告する。 1.新型コロナのためにできなかった、オーストラリアにおける資料調査とその分析を行う予定であったが、同様の理由と入学試験追試験の実施のため、調査はできなかった。代替措置として、特任研究員を雇用し、データ処理を進めたが、海外調査は課題として残った。 2.集会の開催日を特定し、開催場所を加えて、パブリック・ミーティングとして開催された集会の特定を進め、重複するデータを整理した。 3.開催日・開催場所・目的の三つが明瞭なパブリック・ミーティングのデータを特定し、そのデータを4の分析に活用した。4.5万件程度の開催目的を機械的に分類できるようにするために、分類のためのカテゴリー(文字列)を3000件以上作成し、開催目的別にデータを分類した。5.集会の開催者の分析を完成、招集された人々の分析も完成し、集会の開催を要請した人びとのカテゴリー分けを完成した。6.イギリスにおけるパブリック・ミーティング研究の動向をまとめて、本研究で用いるデータ収集・処理の方法の適用の可能性を検討中だが、利用できるデータベースの問題が課題としてある。 7.自然言語処理の最終段階に入り、新聞広告と新聞記事を照合する方法の検討を始めたが、複数の解決すべき課題が明確になった。次年度に向けて、参加者数、参加者の氏名、性別などを明らかにし、すべてのデータを収集する作業を始めるための枠組みを構築している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画は、1.繰り越し資金によって、昨年度、新型コロナのためにできなかった、オーストラリアにおける資料調査とその分析を行う予定であるが、夏の調査が不可能と予想される場合には、早急にオーストラリアの研究者と連携し、インターネットを利用した史料集で可能な限り代替する。2.集会の開催日を特定し、開催場所を加えて、パブリック・ミーティングとして開催された集会の特定を進め、重複するデータを整理する。3.開催日・開催場所・目的の三つが明瞭なパブリック・ミーティングのデータを中心に分析を進める。4.開催目的を機械的に分類できるようなデータ処理の方法を検討する。5.集会の開催者、招集した人々、招集された人々などの項目の整理を進める。6.イギリスにおけるパブリック・ミーティング研究の動向をまとめ、本研究で用いるデータ収集・処理の方法の適用の可能性を検討する。7.自然言語処理の最終段階に入り、新聞広告と新聞記事を照合し、参加者数、参加者の氏名、性別、人種などを明らかにし、すべてのデータを収集する作業を始める、以上7項目であった。 このうちオーストラリア渡航が、新型コロナの影響により不可能であった1については、計画が未達であったが、国内で補える部分は可能な限り代替した。2~7の項目については、おおむね順調に進んでおり、課題が残る部分も、解決すべき問題点は明確になっており、研究最終年に向けて、支障はないと考えている。 オーストラリアでの報告が不可能になったために、成果発表は不十分であるが、すでに論文がアクセプトされており、この点も解消されていく。 以上のような理由で、研究はおおむね順調に進行していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の計画は以下の通りである。 (1)夏休み中に、2020年度から繰り越したオーストラリアでの資料調査を行う。新型コロナの影響がないことを願うばかりでるが、見通しがつかなかった場合は、年度後半にリモートでの代替措置を実施する。(2)新聞広告から集会開催要請者を効果的に収集する方法を開発する。(3)新聞広告と新聞記事を関連づけて、新聞記事から、集会への参加人数、女性の参加者、参加者の氏名などデータを集め、データを拡充、氏名を利用して、ネットワーク分析を試みる。(4)イギリスおけるパブリック・ミーティング分析の応用の可能性について、結論を得る。(5)最終的な成果の発表のために、書籍での出版(出版社の決定まで)、論文の執筆等を進める。
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