2021 Fiscal Year Annual Research Report
Archaeological Survey and Preservation on Shipwrecks and Port Cities in Southeast Asia
Project/Area Number |
19H01344
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
木村 淳 東海大学, 人文学部, 准教授 (80758003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 誠一 沖縄県立芸術大学, 芸術文化研究所, 研究員 (40327953)
高妻 洋成 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, その他部局等, 副所長 (80234699)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ベトナム考古学 / 沈没船 / 水中考古学 / 海事考古学 / 船舶考古学 / チャム / 港市遺跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベトナム中部クアンガイ省チャークック川流域と近接するビンソン湾一体は、チャムの重要な港市であったのが今年度の研究で確認された。ビンソン湾では数隻の沈没船が確認されていたが、それらの船体と積荷の多くが非学術的な手法で引き揚げられてきた。水中考古学の探査方法の一つであるサブボトムプロファイラーによって、前年度までに海底面下に合計78点の異常点を抽出、海底掘削を行いこれらの学術評価をおこなった。前年度までの水中ドレッジを使用した掘削では、海底面2m以深に埋没する異常点の確認に多大な時間がかかったことから、今年度はprobing(突き棒)の手法を新たに取り入れ水面下に埋没する遺跡の確認をおこなった。この方法では中空のパイプをダイバーが保持し、船上のポンプから送り込んだ水流を吐出して、海底に突き刺し探針をおこなっていく。一か所で陶磁器片の確認ができたが、遺構である船体を確認するには至らなかった。 ビンソン湾海域で引き揚げられた沈没船の一つに船体の保存状態が良好なビンチャウ2号がある。残存船体長が24m、残存最大幅5mとされ12の隔壁が残存する。同沈没船で出土した主要陶磁器は、龍泉窯青磁・福建産陶磁・景徳鎮製品であり、その組成から積載年代を14世紀第3・4四半期 (元末・明初)と結論付けた。この時期の沈没船は東南アジア海域での発見事例が少なく既出の9世紀初のチャウタン沈没船と並び、一帯が港市として数世紀にわたって貿易拠点として機能していたことが判明した。さらに今回の調査では、チャークック川両岸には未調査の丘陵型シタダルが遺存が確認され、都城シタダルを守る海防の役割を果たしていたと港市研究に新たな側面を見出した。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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