2021 Fiscal Year Annual Research Report
Connection Greek and Mesopotamian World: Western Expansion of the Anatolian Trading Network in the First Half of the 2nd Mill. BCE
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19H01351
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Research Institution | The Middle Eastern Culture Center in Japan |
Principal Investigator |
松村 公仁 公益財団法人中近東文化センター, アナトリア考古学研究所, 研究員(移行) (60370194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 孟 山口大学, 教育学部, 講師 (90793381)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ビュクリュカレ遺跡 / 紀元前2千年紀 / アッシリア商業植民地時代 / カールム時代 / ヒッタイト時代 / アナトリア / 中近東 / メソポタミア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では前2千年紀前半に存在したメソポタミアとアナトリア両地域の交易網がギリシア世界にまで及んでいたことを、ビュクリュカレ遺跡の考古学的調査と文献研究から解明し、両文明の関わりを新たな視点から見直そうとした。 その際に重要なのが当遺跡の古代名の同定である。本研究では考古学的発掘調査、文書資料研究を通して以下のことが理解された。1.当遺跡からは世界最古のガラス壺(前16世紀)が出土し、これは北シリア地域に居住していたフリ人が発達させた技術で製作され、該当地域との密接なつながりを示す。2.当遺跡から出土した遺物の研究を通して、当遺跡がヒッタイト王家との強い結びつきが確認された。ヒッタイト王に宛てられたヒッタイト語楔形文字粘土板文書の出土、2019年に2点目が出土したヒッタイト王/王妃の印影、さらには2019年、2021年に出土したフリ宗教儀礼に用いられたフリ語楔形粘土板宗教文書である。この粘土板文書はヒッタイト王/王妃によって執り行われた宗教儀礼に用いられたものとされ、ヒッタイト王/王妃がこの都市を訪れていたことを示す。一方で文献資料からの地名考証研究により当遺跡の古代都市名として提起された5つの候補名の中で、ヒッタイト王家にゆかりのある都市としては、唯一ネナッサが存在する。楔形粘土板資料に記載されている都市ネナッサの歴史と、調査で確認されたビュクリュカレ遺跡火災層の年代を比較すると、矛盾がなかった。さらに出土したフリ語粘土板に一部残存する河の名前が、地名考証研究で都市ネナッサの境界線上にあったとされる河の名前と一致した。その上ネナッサはフリ人と密接な関係を持っており、ガラス壺が出土した理由が理解された。これらのことからビュクリュカレ遺跡の古代名がネナッサであった可能性が極めて高い。この研究結果は従来の交易網を修正し、西アナトリアへさらに拡がっていたことを示すものである。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)