2019 Fiscal Year Annual Research Report
Multiple Verification on Visual Characteristics of Patterned Thousand Buddha Image depicted in Mogao Grottoes, Dunhuang, China: through Originally Reproduction and Virtual Grotto Space
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19H01364
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
末森 薫 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 機関研究員 (90572511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 直子 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 教授 (50236155)
日高 真吾 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 教授 (40270772)
安室 喜弘 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (50335478)
八木 春生 筑波大学, 芸術系, 教授 (90261792)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 敦煌莫高窟 / 千仏図 / 視覚的特徴 / 再現模写 / 光学調査 / 仮想空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、敦煌莫高窟に描かれた規則的配色によって描かれた千仏図が有する視覚的特徴について、再現模写および仮想空間の構築により評価することを目的とする。初年度となる2019年度は、A)彩色・技法を再現した千仏図の制作、B)壁画の光学情報を取得する方法の検討、C)仮想空間の構築方法および活用方法の検討を中心に研究を進めた。次にそれぞれについて実績を記す。 A)2019年10月に敦煌莫高窟での現地調査を実施し、再現模写を担当する画家らとともに、壁画の調査をおこなった。その結果、彩色の残りが良い第263窟東壁の千仏図を対象として彩色・技法を再現した千仏図を作成することとなった。そして、同壁画の彩色技法、材料について詳細な目視調査を実施した。あわせて、各時代の代表的な窟を選定し、千仏図に用いられた材料・技法の比較をおこなった。調査後、8体一組とする千仏図2点の作成を進めた。模写制作における材料・技法の選定、制作過程など、千仏図の再現に係る成果について文化財保存修復学会第42回大会にて発表を予定する。 B)再現した千仏図への適用を前提として、彩色材料を対象としてハイパースペクトルカメラを用いた光学調査を実施し、その有効性を検証した。また、遼寧省義県にある奉国寺大雄殿の元代壁画を対象として、同手法を実践した。これらの成果について日本文化財科学会第37回にて発表を予定する。 C)石窟など閉鎖空間における三次元データの取得方法について検討を進め、国内の現場で実施した。また、仮想空間を用いた評価方法の検討を進めた。その結果、まずは再現した千仏図を2.5次元の情報として評価することを優先することにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度予定した研究計画をおおむね遂行することができた。ただし、仮想空間の構築のために、三次元情報を取得する予定であったが、台風による調査延期および現地の事情により取得できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる2020年度は、作成した再現模写を用いて、光学情報の取得、2.5次元の情報としての評価方法の検討をおこなう予定である。また、2019年度実施することのできなかった3次元情報を取得し、仮想空間の構築を進める予定である。3次元の情報取得が適わない場合には、その対策として、図面などからの情報をもとに仮想空間を構築することを検討している。
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Research Products
(8 results)