2021 Fiscal Year Annual Research Report
Spatial distribution and development of glacier-derived rock glacier in the northern Tien Shan.
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19H01372
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
奈良間 千之 新潟大学, 自然科学系, 教授 (50462205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小森 次郎 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 准教授 (10572422)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 岩石氷河 / 山岳永久凍土 / 差分干渉SAR法 / GIS / 衛星画像解析 / 天山山脈 |
Outline of Annual Research Achievements |
半乾燥地域の中央アジアの天山山脈では,山岳永久凍土を含む氷河起源型岩石氷河が多く分布するがその形成環境はいまだ明らかでない.山岳永久凍土は貴重な水資源であるが,これらを見積もるうえで岩石氷河の分布と形成環境の解明は重要な課題である.本年度は,キルギス山脈において岩石氷河の形成環境を明らかにした.これまでに作成した氷河,岩壁,岩石氷河,モレーン,崖錐のポリゴンデータを用いて,面積,傾斜,高度差,地質,末端形態,氷河縮小量から岩石氷河とモレーンの形成環境の違いについて調べた. 氷河と岩壁面積の比率と氷河面積と高度差との関係を調べたところ,氷河面積の割合が小さく,高度差が小さいほど氷河氷が残存する傾向がみられた.さらに,最近50年間の氷河縮小面積と氷河面積比率の関係を調べたところ,氷河面積の割合が小さく,氷河縮小面積が小さい環境で氷河氷が残存していた.さらに,氷河は小規模で,高度差が小さく,縮小面積が小さく,つまり氷河の氷の交換量(供給量)が小さい氷河ほど氷河氷が残存する環境であった.氷の交換量が小さいことは,ゆっくり氷河が縮小する過程で岩屑に覆われた部分がデッドアイスとして保存できる環境であることを示唆している.これらは岩石氷河でも同じ結果であった.一方,モレーンを形成する氷河は,氷河面積の割合が大きく,大きな面積の氷河で形成される傾向があった.これに加え,岩屑に覆われた残存氷が岩石氷河に移行するまでに保存する寒冷・乾燥な気候環境がこの地域で氷河起源型岩石氷河が多く発達する理由である.本研究の成果は投稿準備中である. また,氷河起源型岩石氷河に発達する短命氷河湖の形成要因について,現地調査から凍結・岩屑堆積型のほかにも,融解量増加型があることがわかり,これら結果は国際学術雑誌に掲載された.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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