2021 Fiscal Year Annual Research Report
Jakarta Heavy precipitation Experiment (JaHE): Coastal hydrological cycle climatology over the Indonesian maritime continent (IMC)
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19H01378
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
森 修一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(大気海洋相互作用研究センター), 調査役 (00344309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伍 培明 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(大気海洋相互作用研究プログラム), 主任研究員(シニア) (00360751)
相馬 一義 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (40452320)
勝俣 昌己 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋観測研究センター), グループリーダー代理 (50359147)
濱田 純一 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 特任准教授 (50359212)
藤田 実季子 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(大気海洋相互作用研究プログラム), 副主任研究員 (50426293)
荻野 慎也 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(大気海洋相互作用研究プログラム), 主任研究員 (80324937)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 沿岸水循環 / 沿岸豪雨帯 / 対流日変化 / インドネシア海大陸気候 / 熱帯気象学 / 熱帯気候学 / 大気海洋相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の第3年度であったが,コロナ禍により2022年度半ばまで現地渡航できなかった.このため,現地共同研究機関であるインドネシア国立研究革新庁(BRIN)スルポンGEOSTECH研究所に設置しているXバンド二重偏波レーダー(XDPR),およびボゴール農科大学(IPB)に設置した自動気象ステーション(AWS)とディスドロメータ(DSD)の整備作業やデータ回収を長期間できない状態となった.コロナ禍が一段落した2022年半ばに現地を再訪し調査活動を再開したところ,長期の整備不良等により観測機材の老朽化が著しく,大規模な修理や機材本体の交換を必要とすることが判明したため,BRINおよびIPB担当者と今後の研究体制再構築に向けた調整を行ってきた. その結果,やっと2023年度には上記の①XDPR@GEOSTECH,②AWS@IPB,および③DSD@IPBの連続観測を復旧することができた.その他に計画していた観測装置の再開や新規設置は断念せざるを得なかったものの,ジャワ海上のパリ島BRIN臨海実験所にAWSを新設(④AWS@PARI)するなど,当初計画を一部修正した上で実施した. なお,初(2019)年度から実施してきた①「歴史的気象資料による沿岸都市気候解明」および②「沿岸稠密観測網構築,連続観測データ取得」については,本研究グループによるレーダー観測既存データも用いた解析結果から,ジャカルタ拡大首都圏(北部沿岸域に~南部山岳域)おける豪雨(極端降水)発生に係る気候学的特徴については,すでにBRIN若手研究者の主著による国際共著論文3本が2022年に発表されている,また,③「モデル・観測統合による沿岸水循環系解明」についてもは研究分担者(相馬)を中心としてジャカルタ沿岸域や東南アジア類似地域におけるモデル改良が継続されており,5件の国際/国内学会発表が行われた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍の影響により2年以上にわたり現地渡航ができず,初(2019)年度から開始した観測網構築が完成しなかったばかりか,設置したばかりの観測機材も長期間放置されたため老朽化が激しく,今後の研究に継続利用できる状態ではなくなった.このため,2022年度より現地協力機関と今後の研究体制再構築を検討した結果,2023年度には幾つかの観測点および観測装置の連続観測を再開/新設できたなど,当初計画を一部修正した上で実施した. なお上記のように,既存のレーダー観測データなど歴史的気象データ解析に基づく国際共著論文の発表や,数値モデルの改良ほか国内で可能な研究による国際学会発表など,一程度の成果は出ているものの,現地観測体制の抜本的な再構築が必要となるなど,研究進捗状況は当初計画に対して大幅に遅れることとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍後における現地調査ならびに現地協力機関との調整に基づき,当初計画における観測網を一部縮小(例えば,スルポン観測点のウインドプロファイラは修復不可能と判断し観測復活を断念,GNSS受信機展開については代替措置として現地BRIN現業観測データ利用に変更など)の上で再構築を図り,BRIN内でデータ集約およびリアルタイム監視可能とする稠密沿岸水循環観測網(研究目的②)を2023年度中に運用した. また,①について既に一部は論文発表されており,引き続き当初計画に沿って,これまでに抽出されたジャカルタ沿岸豪雨事例に関して現業ラジオゾンデ観測等に基づく局地循環や河川流出水文データも含めた事例解析,ならびに沿岸水循環大気水収支に資する気候学的特性の統計解析を継続している.また,③については,現地観測データのリアルタイム運用再開にあわせた改良モデル検証を進め,国内外における学会発表を行っている.
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Research Products
(6 results)